コア営業利益は36%減 三菱ケミカルGの24年3月期

2024年05月16日

ゴムタイムス社

 三菱ケミカルグループは5月15日、オンラインで決算発表会を開き、24年3月期通期業績の説明を行った。24年3月期通期業績(23年度)は、売上収益が4兆3872億1800万円で同5・3%減、コア営業利益は2081億1600万円で同36・1%減、営業利益は2618億3100万円で同43・3%増、当期利益は1195億9600万円同24・0%増となった。
 「23年度は産業ガスやヘルスケアは堅調な動きを見せた。ただ、半導体関連市場や広く産業材において需要が低調に推移し、スペシャリティマテリアルズ及びベーシックマテリアルズの販売数量が大きく減少した」(同社)と説明した。
 セグメント別に見ると、スペシャリティマテリアルズの売上収益は1兆1729億円で同4・9%減、コア営業利益は53億円で同89・7%減となった。
 内訳はポリマーズ&コンパウンズの売上収益は3188億円で同5・9%減、コア営業利益は175億円で同33・2%減、フィルムズ&モールディングマテリアルズの売上収益は4913億円で同5・1%減、コア営業損失は130億円(前期は180億円の増益)、アドバンストソリューションズの売上収益は3628億円で同3・8%減、コア営業利益は8億円で同89・0%減となった。
 このうち、ポリマーズ&コンパウンズは、自動車向け中心にバイオポリカーボネート(デュラビオ)の新規採用拡大や増販が進んだ。一方、グローバルでバリア包材や塗料・インキ・接着剤用途等の需要減退等による減販が進み、販売数量は前期比で減少した。
 フィルムズ&モールディングマテリアルズはグローバルでの半導体産業の在庫調整などを受け、炭素繊維や高機能エンジニアリングプラスチック、一般用ポリエステルフィルムは販売が減少した。
 25年3月期通期連結業績予想(24年度)は、売上収益が4兆6230億円で同5・4%増、コア営業利益は2500億円で同20・1%増、営業利益は2100億円で同19・8%減、当期利益は520億円で同56・5%減を見込む。セグメント別では、スペシャリティマテリアルとベーシックマテリアルズの見通しは「事業環境の不透明感がみられ、本格回復には時間がかかるとみている。ただし、一部製品には需要回復も見られる。下期にかけて製品や地域により濃淡はあるも緩やかな回復を見込んでいる」(同社)との見解を示した。

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