カネカの2024年3月期連結決算は、売上高が7623億200万円で前年同期比0・9%増、営業利益が325億7900万円で同7・1%減、経常利益が292億2200万円で同9・8%減、当期純利益は232億2000万円で同0・9%増となった。
セグメント別に見ると、マテリアル・ソリューションズ・ユニットの売上高は3229億200万円で同3・3%減、営業利益は274億9500万円で同0・2%増となった。
Vinylsは、塩ビ・か性ソーダともにアジア市況の下落の影響を受けたが、第三四半期以降から業績を回復させている。
MODは、年間を通して需給調整が続いたが、第三四半期以降から全拠点で需要が回復し下期は対前年比で大幅な増益となった。事業競争力強化の取り組みが着実に進み、収益力が向上した。
MSは、他にはないユニークな機能特性が評価され、販売が堅調に推移した。今後は今春完工するベルギーの生産能力増強を最大限に活かし、業容拡大をめざす。
Green Planetは、大手ブランドホルダーとの共同開発が進み、新たなアプリケーションでの採用案件が増加した。
クオリティ・オブ・ライフ・ソリューションズ・ユニットの売上高は1761億8200万円で同2・0%増、営業利益は153億6100万円で同4・8%減。
Foamは、スプレッドが改善し、全体としては増収増益となった。発泡ポリオレフィンは、自動車分野の販売が回復し、EV用途での採用も拡大している。
PVは、国内で戸建て住宅向け高効率太陽電池の販売が堅調に推移した。政府のGX推進や自治体の再エネ活用義務化の動きが拡大しており、同社製品への注目度は更に高まった。壁・窓が発電するZEB需要を喚起するため、大成建設と共同販売会社を設立した。
E&Iは、スマートフォンの生産調整に伴い、上期はポリイミド出荷も影響を受けたが、第三四半期以降は中国市場を中心に需要は回復している。大型TV向けアクリル樹脂は一時的な需要調整があったものの、第四四半期以降は回復している。
Fiberは、アフリカ諸国のインフレ及び通貨安の影響が大きく需要が低迷した。マーケティング戦略の強化や高機能新製品の投入を積極的に進め、末端需要の喚起に注力する。
2025年3月期の連結業績予想は、売上高が7900億円で前年同期比3・6%増、営業利益が380億円で同16・6%増、経常利益が340億円で同16・3%増、当期純利益は245億円で同5・5%増を見込んでいる。
2024年05月17日