大日精化工業の2024年3月期連結決算は、売上高は1198億2400万円で前期比1・8%減、営業利益は45億5000万円で同72・7%増、経常利益は50億300万円で同48・3%増、当期純利益は36億6000万円で同82・3%増となった。輸送機器業界向けは、サプライチェーン上の在庫調整が概ね完了し、下期から回復したが、年明け以降、震災等の影響により弱含みとなった。情報電子業界の液晶ディスプレイ向けは、前期の落ち込みから回復したが、下期にかけて再び弱含みで推移し、包装業界及び建材業界向けは物価高を背景とした消費低迷により低調に推移した。海外は、中国現地法人が景気低迷により低調に推移した。
カラー&ファンクショナル プロダクト事業の売上高は655億1700万円で同2・5%減、営業利益は24億5300万円で同22・4%増となった。情報電子業界向けの顔料及び分散体の売上高は、期初から好調であった液晶ディスプレイ用途が期末にかけて弱含みで推移した。輸送機器業界向けのコンパウンド・着色剤は、在庫調整の完了により回復したが、年明け以降は震災等の影響により弱含みで推移した。海外のコンパウンド・着色剤は、インド子会社の自動車向けが好調に推移した一方、中国子会社の家電OA機器向けが低調に推移した。
ポリマー&コーティング マテリアル事業の売上高は、239億600万円で同1・1%増、営業利益は26億5900万円で同34・5%増となった。ウレタン樹脂は、輸送機器業界向けが期初より回復したが、年明け以降、震災等の影響により弱含みで推移した。衣料品・服飾品業界向けは、中国で一部需要低迷があったが、総じて堅調に推移した。情報電子業界の液晶ディスプレイ向けのコーティング剤は、期初から好調に推移したが、第4四半期以降、市況低迷により低調に推移した。
グラフィック&プリンティング マテリアル事業の売上高は303億2600万円同2・4%減、営業損失は、前期に新工場移転費用の計上があったこと及び海外子会社において損益改善が進み、5億6100万円の営業損失(前年同期は13億6200万円の営業損失)となった。包装業界向けのグラビアインキは、物価高により食料品向け軟包装用途が低調に推移しました。海外は、インドネシア子会社で販売価格の改定が進み増収となった。オフセットインキは、需要減少により低調に推移した。
25年3月期通期の連結業績予想は売上高が1230億円で同2・6%増、営業利益が52億円で同14・3%増、経常利益が58億円で同15・9%増、当期純利益が97億円で同165・0%増を見込んでいる。減収も営業利益大幅増に