豊田合成が共同開発 スギ成分配合のプラスチック

2024年05月23日

ゴムタイムス社

 豊田合成と森林研究・整備機構は5月21日、日本固有の樹木であるスギの成分を配合したプラスチック素材を共同で開発したと発表した。
 豊田合成は、脱炭素への取り組みの一環で、プラスチックやゴムに植物由来の原料を配合することで製品の環境負荷低減を進めている。今回開発した「改質リグニン配合プラスチック」は、車のハンドルなどに使われるウレタンやナイロンといったプラスチックに、スギから抽出した改質リグニンを配合している。
 改質リグニンは、スギから主成分の「リグニン」を工業材料として化学的に抽出した物質で、耐熱性・加工性に優れており、豊田合成の材料技術により、プラスチック製品の石油由来材を一部代替することを可能にした。さらに、今回の改質リグニンの利用の推進は、全国各地で豊富に存在するスギの木材としての付加価値を高めて有効活用する取り組みの一環であり、アレルギー源であるスギ花粉の低減への貢献も期待できる。
 今後、豊田合成の主力製品であるハンドルなどの内外装部品への適用も視野に開発を進めていく。
 なお、同技術は、2024年5月22日から3日間、パシフィコ横浜で行われる「人とくるまのテクノロジー展2024」の豊田合成ブースで紹介する。

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