積水化学の共同検証 港湾施設で開始

2024年05月27日

ゴムタイムス社

 積水化学工業は5月24日、東京国際クルーズターミナルへのフィルム型ペロブスカイト太陽電池の設置が完了し、国内最大規模となる港湾施設での検証を開始したと発表した。
 同社は、フィルム型ペロブスカイト太陽電池の実装に向けた取り組みを東京都と進めている。今後、2025年3月28日までを目途に、検証を通じて、耐風圧や塩害に対する耐久性などの確認を行っていく。
 共同事業の実施場所は、東京国際クルーズターミナル4階デッキ部、住所は、東京都江東区青海2丁目地先となる。
 港湾施設は、脱炭素社会の実現に貢献する重要な潜在市場の一つであると考え、適用性を検証する。発電した電気は蓄電池に充電し、TOKYOサインの点灯に活用する。
 役割分担として、東京都は、総合調整および設置場所の提供など、同社は、研究計画の策定、ペロブスカイト太陽電池の設置、計測および分析、港湾施設への適用に向けた研究開発などを行う。
 同社では、独自技術である「封止、成膜、材料、プロセス技術」を活かし、業界に先駆けて屋外耐久性10年相当を確認し、30cm幅のロール・ツー・ロール製造プロセスを構築している。さらに、同製造プロセス による発電効率 15・0%のフィルム型ペロブスカイト太陽電池の製造に成功している。
 同件をはじめ、各種用途への設置を通して技術実証と設置・施工方法の確立を進めている。並行して、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金を活用し、1m幅での製造プロセスの確立、耐久性や発電効率のさらなる向上に向けた開発を進め、2025年の事業化を目指す。

設置したペロブスカイト太陽電池

設置したペロブスカイト太陽電池

東京国際クルーズターミナルと設置場所

東京国際クルーズターミナルと設置場所

フィルム型ペロブスカイト太陽電池

フィルム型ペロブスカイト太陽電池

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