ダウがNPO法人に寄付 医療的ケア児の保育拡充

2024年05月27日

ゴムタイムス社

 ダウ・ケミカル日本の親会社ダウは5月23日、日本の子ども・子育て領域の社会課題解決に取り組むフローレンスに3万4千ドルを寄付したと発表した。
 人工呼吸器やたんの吸引、胃ろうなどの医療的ケアを日常的に必要とする児童「医療的ケア児」の保育拡充を通じて、よりインクルーシブな世界に貢献していく。
 医療的ケア児は新生児医療の進歩などにより増加しており、全国で約2万人に上ると推計されている。
 24 時間365日ケアを必要とする子どものために、多くの保護者、特に母親が就労機会を得にくい状況がある。2021年に「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」が施行され、国や地方自治体による医療的ケア児への支援が「努力義務」から「責務」になった。認可保育園で医療的ケア児の受け入れが進みつつある一方、多くの保育園では医療的ケア児を預かるノウハウが不足している。
 同社の草の根のダイバーシティネットワーク、従業員リソースグループ(ERG)のWIN(女性)とDEN(障がい者)は、障害児・医療的ケア児の保育事業を展開しているフローレンスと協力し、今後、認可保育園や自治体の職員に医療的ケア児保育の研修を提供する。現場の職員が医療的ケア児を安全に保育するノウハウを得て、より多くの子どもを預かることにより、母親が就労の機会を得られるように支援していく。
 医療的ケア児が病院や専門施設だけではなく、地域に包括され一般の保育園で育てられることで、障害や医療的ケアの有無に関わらず、子どもたちが自然な学びや気づきを得られる、よりインクルーシブな保育環境が生まれることを期待している。同社の従業員もボランティアとして、医療的ケア児の遠足や園のイベントをサポートする予定となる。
 同社は、世界で最もイノベーティブ、顧客本位、インクルーシブでサステナブルな素材化学会社になることを掲げている。よりインクルーシブな社会を築くことを目的に、各ERGがさまざまなプロジェクトを提案し、優れた案が採択され、同社のALL IN ERG ファンドを通じて、ダウが操業する世界の地域社会のコミュニティを支援しており、2019年から2023年度にかけて計145万ドルを拠出した。ダウ日本からの提案が採用されたのは同件が初めてとなる。

関連キーワード: ··

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー