東洋紡のリクリスタが取得 APRのリサイクル性能認証

2024年05月28日

ゴムタイムス社

 東洋紡は5月27日、同社が新たに開発したシュリンクラベル用PETフィルム「ReCrysta」が、プラスチックリサイクルの国際的な業界団体であるThe Association of Plastic Recylers(APR)より、リサイクル性能に関する認証(APR Design for Recyclability/ Critical Guidance Recognition)を取得したと発表した。
 新開発のシュリンクラベル用PETフィルム「ReCrysta」は、再生PET樹脂を 50%以上使用して製造可能な環境配慮型フィルムとなる。加えて、同社が長年培ったフィルム材料技術などを駆使することにより、従来のシュリンクラベル用PETフィルムに含まれるモノマー類を原料に使用せず、PETボトルと同じ構成成分(モノマー)を採用しながら、従来品と同等のシュリンク性能を実現した。これまでシュリンクフィルムに含まれるこれらのモノマー類は、リサイクルPETボトルなどの物性の劣化につながるとされ、リサイクル時に分別が求められてきた。
 これに対し、PETボトルと同じ構成成分(モノマー)の「ReCrysta」を使用したシュリンクフィルムは、再生PETフレーク製造時にPETボトルと分別する必要が無くなり、リサイクル性の向上に貢献する。
 このたび、「ReCrysta」を使用したフィルムに対し第三者機関が実施した評価をもとに、APRにより審査が行われた結果、APRが定めるリサイクルに関する厳格な要求性能(“Critical Guidance Recognition”)に合致またはこれを上回ることが認められたとして、APRによるリサイクル性能に関する認証の取得に至った。
 同社は、2012年に上市した、業界最高レベルのリサイクル原料使用率80%と業界最薄の12μmを実現した包装用フィルム「サイクルクリーン」をはじめ、減容化に貢献する薄肉タイプのシュリンクフィルム「スペースクリーン」など、これまでも環境に配慮したさまざまなフィルム製品を業界に先駆けて提供してきた。
 全世界で環境に対する意識がますます高まる中、同社は今後、リサイクルPETフィルムの需要拡大が特に見込まれる東南アジアを中心に「ReCrysta」を積極的にグローバル展開するとともに、幅広い環境配慮型フィルム製品の提供を通じて、循環型経済の実現に貢献できるよう努めていく。

シュリンクラベル用ペットフィルム「リクリスタ」

シュリンクラベル用ペットフィルム「リクリスタ」

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