旭化成メディカルは５月27日、宮崎県延岡市で建設を進めてきたウイルス除去フィルター「プラノバ」の組立工場が完工し、５月24日に竣工式を執り行ったと発表した。
同社は、バイオ医薬品や血漿分画製剤といった生物学的製剤の製薬プロセスにおけるウイルス除去フィルター「プラノバ」や装置の製造・販売、バイオセーフティ試験受託サービスやバイオ医薬品ＣＤＭＯ事業を中心としたバイオプロセス事業を成長エンジンの一つと位置づけている。
１９８９年に生物学的製剤からウイルスを除去するために開発したセルロース製中空糸型フィルター「プラノバ」および、２００９年に開発したウイルス除去フィルター「プラノバＢｉｏＥＸ」は医薬品の安全性に貢献する製品として、製薬会社の信頼を獲得し、グローバルに事業を拡大してきた。また２０２２年に新たにラインアップに加わった、高いウイルス除去性とオペレーションの簡素化を実現した次世代セルロース膜「プラノバＳ20Ｎ」も、多くのユーザーより着実に評価をいただいている。
近年、世界において生物学的製剤のウイルス安全性に対する要求が高まっていることに加え、モノクローナル抗体を中心としたバイオ医薬品の開発が盛んになってきたことから年々ウイルス除去フィルターの需要が増加している。今後もこの動きは世界的に続くことが予想されており、同社はこれまでにも、２０１９年に宮崎県延岡市にて竣工した「プラノバ」紡糸工場の建設、２０２１年に決定した大分県大分市の「プラノバＢｉｏＥＸ」紡糸工場の増設等、増員増産体制の強化に積極的に取り組んできたが、さらなる安定供給を目指すために同社の組立工場としては３施設目にあたる、新組立工場を建設した。
今後も積極的に研究開発、設備投資を行い、革新的かつ信頼性に優れたバイオプロセス製品、装置および学術コンサルテーションの提供を通じて、生物学的製剤メーカーが安全かつ効率的に、患者が安心して使用できる医薬品を製造することに貢献していく。
（左）「プラノバＳ20Ｎ」（右）「プラノババイオＥＸ」
竣工した「プラノバ」組立工場の外観
５月24日の式典の様子
