旭化成は5月28日、経済産業省が東京証券取引所及び独立行政法人情報処理推進機構(IPA)と共同で実施する「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)2024」に選定されたと発表した。今回で2021年から4年連続の選定となる。
同社グループは、「中期経営計画2024~Be a Trailblazer~」において、経営基盤強化のために取り組む重点テーマの一つに「デジタルトランスフォーメーション(DX)」を掲げ、開発・製造・マーケティングなどの各方面でDXを進めてきた。今回の選定にあたっては、デジタルによる競争優位性の向上およびビジネス変革への挑戦、人材育成を通じた組織風土改革などが高く評価された。
上席執行役員兼デジタル共創本部長原田典明氏は、「当社グループでは、成長の源泉となる多様な無形資産を最大活用するために、DXの推進を加速しております。こうした取り組みにおいて、本年もDX銘柄に選定され、たいへんうれしく思います。今後は、DXの進化・深化に加え、真価を発揮するステージに上がります。当社の強みである多様性や変革力、さらにはサイエンス力などの無形資産に磨きをかけ、「全員参加×現場主導×共創」のスタイルで、デジタルノーマルの実現に向けたアプローチを続けてまいります。デジタルの力を最大限に活用しながら、組織、企業、国、文化を超えてつながり、企業の価値向上、社会への貢献を目指していきます。」とコメントしている。
同社では2023年5月に従業員向け生成AI利用ガイドラインを発行し、いち早く生成AIを業務利用できるようにした。さらに専任組織「生成AI/言語解析ユニット」を中心にシステム実装や人材育成を行うなど、積極的な活用を促進している。ある部門では、書面監査対応プロセスを生成AIにより効率化し、回答精度を高めるとともに、年間で約1820時間の時間短縮を実現できる見込み。この他にも、エンジニアリング部門での技能伝承、住宅事業での顧客提案など、さまざまな事業・部門で導入を進めている。
マテリアル領域だけでなく、ヘルスケア領域でも活用を進めており、ウイルス除去フィルター「プラノバTM S20N」の開発において、MIの適用により最適な製造プロセス条件を発見し、従来品の2倍以上の処理量という大幅な高性能化に成功した。
また、秘密計算を活用し、相互のデータを秘匿したまま他社とデータ連携・分析を行うことができる「共創型MI」など、個社では成し遂げられない革新的な製品開発を目指し、企業間の壁を越えた取り組みを進めている。
2024年度からは、全従業員がデジタル活用のマインドセットで働く「デジタルノーマル期」として、グループ全体でDXによる新たな価値創造を加速していく。
2024年05月29日