デンカが開発、販売開始 環境負荷低減型早強性混和材

2024年06月03日

ゴムタイムス社

 デンカは5月31日、プレキャストコンクリート向け環境負荷低減型早強性混和材「DENKA FASTRONG」を開発し、販売を開始したと発表した。
 昨今の建設業界では、労働人口の高齢化・減少に伴う「省力化」やカーボンニュートラルに向けた「CO2削減・環境負荷低減」をキーワードに各社研究開発を行っている。
 「省力化」においては、建設現場でのコンクリート施工から工場でコンクリート部材を製造する「プレキャストコンクリート」への移行が挙げられ、「CO2削減・環境負荷低減」においては、産業副産物である高炉スラグや産業廃棄物である汚泥焼却灰などの活用が進められている。
 特に高炉スラグは、セメントに比べCO2排出量が少ない点やコンクリートの長期強度増進、水密性及び化学物質に対する耐久性の向上が期待され、積極的な活用が求められている。
 高炉スラグを用いたプレキャストコンクリートの製造が可能になれば、「省力化」や「CO2削減・環境負荷低減」を可能にする環境配慮型コンクリートが実現する。
 同社では、プレキャストコンクリート製造時における高炉スラグの早期強度増進及び脱型時の強度低下抑制という課題を解決させるため、「DENKA FASTRONG」を開発した。
 また「DENKA FASTRONG」は、早期強度増進に起因するコンクリート蒸気養生温度の抑制により、プレキャストコンクリート製造時においてもCO2を削減する製品となっている。
 今後もカーボンネガティブコンクリート用炭酸化混和材「LEAF」をはじめとする特殊混和材技術において、環境負荷低減を図っていく。
 同社は2023~2030年度の8ヵ年を対象とした経営計画「Mission2030」において、「SustainableLiving」分野ではインフラ需要高度化に適応した技術開発・海外展開により、自然災害の影響緩和および環境負荷低減に対する課題解決に貢献していく。
 同社はこれからも、「化学の力で世界をよりよくするスペシャリストになる」というパーパスのもと、世界に誇れる化学で、人々の暮らしと社会に貢献し続ける。

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