旭化成メディカルは6月3日、同社の子会社であるバイオ医薬品CDMOのBionova Scientificにおいて、新たにプラスミドCDMOサービスの提供および米国テキサス州にその拠点となる施設を新設することを決定したと発表した。
同社グループは、「中期経営計画2024~Be a Trailblazer~」において、バイオプロセス事業を、次の成長を牽引する事業である10のGrowth Gears(GG10)の1つに位置付けている。同社はバイオ医薬品市場の拡大を背景に、ウイルス除去フィルター「プラノバ」等の既存事業を拡大させるとともに、これまで築いた顧客基盤やブランドを活かし、サービスラインアップ強化の一環でCR0事業、CDMO事業へと参入を果たした。
Bionova社は、製薬企業に対して製造プロセス開発受託、製造受託サービスを提供するバイオ医薬品のCDMO企業で、特に製造が難しい複雑な次世代抗体医薬品について多くの実績を積み重ねてきたが、さらなる成長のため、急速な成長が期待される遺伝子治療や細胞医療といった新規モダリティ分野への参入機会を模索してきた。
プラスミドは大腸菌などの微生物の細胞内に存在するDNA分子であり、遺伝子治療や細胞治療、mRNAワクチン、抗体医薬品等のさまざまな用途の重要な原材料として使用している。世界のプラスミド製造市場は、遺伝子・細胞治療法などの新規モダリティの急速な成長に伴い、今後数年間高い伸び率で成長すると予想されている。
Bionova社は、これまで培った製造プロセス開発の知見、GMP製造ノウハウや柔軟な顧客対応、対象新規モダリティにおける業界ネットワークを活かすことで新規モダリティの成長加速に貢献できると判断した。
プラスミドのプロセス開発向けおよび GMP 製造の新規施設をテキサス州ザ・ウッドランズに設立する。サービスの提供開始時期は、プロセス開発については 2025年前半、GMP製造については2025年後半を予定している。
同社は今後も、革新的かつ信頼性に優れた製品・サービスを提供し、生物学的製剤の安全性と顧客の生産性向上および安定供給を実現することでヘルスケア産業の発展に貢献するとともに、同社グループのヘルスケア領域のさらなる成長を目指していく。