ランクセスの子会社 ケムスペックヨーロッパ出展

2024年06月05日

ゴムタイムス社

 ランクセスは6月4日、同社の完全出資子会社で受託製造会社のサルティゴが、ドイツのデュッセルドルフで6月19日から20日まで開催される国際展示会「Chemspec Europe」に出展し、サルティゴが有する受託合成、ファインケミカルおよび特殊化学品に関する包括的なソリューションを紹介すると発表した。
 サルティゴは、中核事業である受託合成だけでなく、虫よけ剤の活性成分「サルチジン(Saltidin)」などの幅広いファインケミカルと特殊化学品も高い評価を得ている。サルティゴは、エネルギー供給と多くのサービスや原材料を後方統合により調達すると共に、欧州中心部の効率的な物流ネットワークに組み込まれており、同社グループ内でも将来的に有望な事業であると、サルティゴのマネージングディレクターを務めるマイケル・シェーファーは考えている。
 今後、農薬や製薬以外の業界からの取引が増えれば、将来的にこのようなプロジェクトが増えるとみている。例えば、電気分解や燃料電池、充電式蓄電池など、電気・電子産業において、ますます多くの化学製品が必要とされている。
 そのためのサルティゴの役割は、必要とされる製品の必要量を短納期で顧客に届けるために、信頼性や拡張性があり、コスト効率の高い合成経路を設計することとなる。この取り組みは、例えばバイオケミカル分野のプロジェクトで実際にあったように、実験室レベルの小規模なメタセシス製品が数年のうちに 12 立方メートル規模で連続生産するような場合に価値がある。サルティゴには技術研究所とともに、専門家の知識を常に向上させ、最先端の技術開発のための施設を有している。
 研究所では、手順の登録に加えて再現性も確認でき、プロセスモニタリングと品質保証の分析手順と方法も開発し試験している。30mLから20Lにわたるさまざまな大きさのオートクレーブでの高圧反応と、部分的または完全に自動化したミニプラントでの反応もこの研究所で行っている。
 気候変動とその影響は、製造業でも新たな課題となっており、その一つがネットゼロ排出製品への需要増加となる。ネットゼロ排出製品は、バリューチェーン全体を通して製造時に発生する気候に悪影響を及ぼす物質の排出量を、従来の製造時よりも少なくとも 90%削減することを目標としている。生産プロセスには、持続可能な方法で生産した原材料の入手とコストが課題となる。
 ネットゼロ・カスタム・マニュファクチャリングに対応した製品は、食品産業などの主に消費者に身近な製品を製造する企業、そして、持続可能性への取り組みが製品販売の上で大きな影響を与える企業に適している。今後さらに多くの持続可能性目標を目指すより多くの業界に影響を与えることになるだろうとしている。

ミニプラントのモニタリング

ミニプラントのモニタリング

加圧下でフッ化水素またはフッ化カリウムと反応させるミニプラント

加圧下でフッ化水素またはフッ化カリウムと反応させるミニプラント

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