世界最大級の食品製造総合展「FOOMA JAPAN2024」(日本食品機械工業会主催)が6月4~7日に東京ビッグサイトで開かれた。樹脂ベルト各社のブースでは食品業界に用いられる製品群を紹介した。
◆バンドー化学
「Keep Clean Project」をテーマに軽搬送ベルト「ミスターシリーズ」を中心とした食品搬送のお困りごとを解決する搬送ベルトを多数展示した。ブースでは従来よりも多くデモ展示を実施することで、ミスターシリーズの特長を来場者が実感できる工夫を行った。
ミスターシリーズのうち、「ミスターLキーパー」は、熱水洗浄や油・粉の潜込に強い低収縮ベルト。耐湿熱性や耐薬品にも優れるほか、次亜塩素酸にも優れる。製パンの焼き上がり工程などで好評を得ている。
また、「ミスターウルトラミラー」は小プーリ対応のフッ素樹脂ベルト。特長はフッ素樹脂フィルムにより優れた剥離性、ふき取り性を始め、100℃までの高温・高湿搬送に使用可能、裏面には抗菌、防カビ両面カバー構造を用いることで油や液体の潜り込み収縮を防止する。ブースでは油性のペンを使い、剥離性・ふき取り性の良さを伝える実演も行った。
また、同社ブースでは初の取り組みとして、ベルトコンベヤ部品のJRCが販売・施工する樹脂ベルトの付着の掻取りに使う「エクスカリバー」を紹介した。
◆三ツ星ベルト
同社の食品搬送用ベルト「ママラインシリーズ」は低収縮、非粘着、鏡面、ブルーなど豊富な品揃えを強みとする。ブースではこれら特徴のある食品搬送用ベルトを中心に、素材のポリウレタンにバイオマス素材を用いた「バイオマス樹脂コンベヤベルト」を強くPRした。バイオマスベルトのバイオマス比率(製品重量)は25%。既存のベルトと同等の物性を有しているほか、食品衛生法にも適合で、様々な搬送ラインで使用できる。表面カバー色調はベールオレンジ。「バイオマスベルトは当社の基本理念『人を想い、地球を想う』に合致したベルトになる。現在各コンベヤメーカーに製品の訴求を図っている段階」(同社)とし、展示会を通じてアピールしていく。
そのほかでは、非粘着ベルトでは標準ウレタンの平面仕様と比べ、耐薬品性、非着色性に優れた「ポリオレフィンベルト」を参考出展した。非着色性の特性を知ってもらうため、油性ペンを用意して来場者にその効果を分かってもらう取り組みも行っていた。
◆フォルボ・ジークリング・ジャパン
「2024年を食品対応元年に」と題し、改正食品衛生法に対応したベルトを紹介した。同社はトランジロン、エクストレマルタス、プロリンクの主力商品を手掛けている。トランジロンでは「ProsanフルシールHACCPシリーズ」や「非粘着ベルト」、「ジークリングフルサン」をアピールした。Prosanは22年に日本の食品衛生法や米国のFDA、欧州のEUなど主要な食品規格に準拠した新シリーズを4種類を投入している。同社はここ数年、どのベルトが改正食品衛生法に適合しているかを確認してきたという。
その他では、プラスチックモジュラーベルトの「プロリンク」で新発売した「プロリンクプロスナップ」を出品した。新製品はベルトの取り付け、清掃、修理時のダウンタイムにつながるクリック式連結ソリューション。これまでは工具を使ってピンを取り外す必要があった。新製品は工具が不要で、ベルトを持ち上げて所定の位置をクリックすると取り付け、取り外しができる(作業が楽)。現在はプロリンク4シリーズに対応する。
◆ニッタ
波打ちしない高機能ベルト「MEXUシリーズ」「WEXUシリーズ」をはじめ、6月3日から受注をスタートした低温環境に対応可能なベルト「ポリスプリントTA12―LT」などを披露した。MEXUシリーズでは、洗浄性に焦点をあてたベルトとして今年4月に3タイプ(MEXU―7ANS、MEXU―14ANSとMEXUK―12ANF)を発売している。MEXU―7ANS、MEXU―14ANSは耐次亜塩素酸や耐湿熱、抗菌・防カビに加え、すり込みによるベルトの収縮を抑えられる。
もう一つのMEXUK―12ANFは、これら特徴に加えて、ベルト表面の特殊目付により離型性を高めた。米飯・練り製品などの搬送用途に適している。さらに、開発品「NSL24205A」を参考出品した。開発品はベルト表面により微細な目付を施すことで離型性を高めた。「搬送物がくっついてほしくない工程に適したベルトとして開発し、特に米飯の搬送用途に適している」(同社)としている。