食肉代替のフラカルネを開発 ソディック、特殊加熱装置活用

2024年06月08日

ゴムタイムス社

 放電加工機メーカーのソディック(横浜市都筑区、古川健一代表取締役CEO)は、経営多角化の一環として、小麦由来タンパク質を用いた肉様食材「フラカルネ」を開発し、6月4~7日に東京ビッグサイトで開催された「FOOMA JAPAN」で初披露した。

 フラカルネは、小麦からたんぱく質だけを抽出した原料を用いて食肉と同様の柔らかさを実現した肉様食材(PBF:動物性原材料ではない植物由来の原材料を使用した食品の総称)。フラカルネの製法は、同社が長年実績を持つ無菌包装米飯製造システムで培った高温飽和蒸気殺菌技術などを応用し完成させた。具体的には特許出願中の特殊加熱装置を用いて、小麦のタンパクが相互に熱融合・溶着することにより、従来では難しかった一体大型成形を実現した。
 放電加工機メーカーで知られる同社だが、30年以上前から食品機械事業を展開中。同事業部が無菌包装米飯製造システムや製麺機、製菓関連装置など食品機械を手掛けるが、機械メーカーとして珍しくラボ施設を持ち、「フラカルネはラボ施設を活用し1年をかけて開発した」(同社)という。
 肉に近い食感もフラカルネの魅力だ。従来の肉様PBFはフレーク状が多い上、乾燥タイプの素材が多く、使える料理の種類に制約があったり、水に戻す必要があったりする課題があった。フラカルネは従来の肉様PBFと比べて湿潤(湿り気が多い)で柔軟、低カロリー・低糖質、90日の常温保存が可能。さらに、肉も牛肉や鶏肉、豚肉に近い弾力とジューシーさが味わえる。このため、従来のPBFで不向きだったとんかつやシチュー、焼き肉などへ展開が可能だ。
 今後はまず日本に比べPBFが先行する欧米を開拓を目指す。なお、売り上げは初年度1億円、3年後の26年度5億円、5年後の28年度は20億円を目標としている。

フラカルネ

フラカルネを使った食品例

 

 

 

 

 

 

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