三洋化成が市川賞受賞 子会社開発のテキスタイル

2024年06月10日

ゴムタイムス社

 三洋化成工業は6月7日、子会社であるサンノプコが開発した木粉配合高機能テキスタイル「MOC-TEX」(モックテックス)が、日本木材加工技術協会の「市川賞」を受賞したと発表した。
 同賞は、日本の木材産業の発展に寄与する新しい研究・技術開発の業績として認められたものに対し授与されるものとなる。
 「モックテックス」は、木材を含む植物性バイオマス原料を約 80%含有しつつも、本革の見た目や柔軟な質感を再現した高機能テキスタイル。国産木材を使用し、地域材の活用促進と付加価値向上に貢献することを目的に開発した。再生可能な原料である木材の使用、木屑のアップサイクルによる廃棄物の削減、石油由来原料の使用量削減などにより、CO2排出量や廃棄物削減できるサステナブルな新素材となる。木質由来の吸放湿性、消臭性を有しており、家具、カバン、雑貨、アパレル、靴など多様な用途展開が期待できる。
 「モックテックス」は、木材を高い比率でバイオマス樹脂中に分散するために、木粉の凝集や塗工中の泡立ちを抑えながら、塗工適性や柔軟性を調整する必要があった。サンノプコは得意とする分散技術や消泡技術を駆使し、その開発に成功した。
 2024年4月より有償試作品の提供を開始しており、24年度中の製品販売を目指し、量産体制の整備を進めている。
 今後、バイオマス資源を活用したカーボンニュートラル実現のニーズはますます拡大していくと考えられる。同社グループでは引き続き、バイオマス資源を活用した高性能かつ環境負荷低減に貢献できる製品の開発を進めていく。

授賞式の様子。モックテックスのネクタイを着用した開発担当者(左)

授賞式の様子。モックテックスのネクタイを着用した開発担当者(左)

使用例、名刺入れ、カードケース、スマホケース、椅子の張り生地

使用例、名刺入れ、カードケース、スマホケース、椅子の張り生地

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