三菱ケミカルグループは6月12日、フォトレジスト用感光性ポリマー「リソマックス」の生産能力を増強するため、福岡県北九州市の同社九州事業所・福岡地区において、ArF(フッ化アルゴン)フォトレジスト用リソマックスおよび EUV(極端紫外線)フォトレジスト用リソマックスの各量産設備を新設することを決定したと発表した。
フォトレジスト用感光性ポリマーは、半導体の回路パターンをウエハーに転写するフォトリソグラフィー工程で使用するフォトレジストの主成分となる樹脂。同社グループのリソマックスは、金属含有量や不純物が少ないため、半導体の回路の微細化にともなう高度な品質要求に対応できることから、多くのフォトレジストメーカーに採用されている。中でも、一層の微細化に不可欠なArFフォトレジストおよびEUVフォトレジストは日本企業が圧倒的なシェアを持ち、今後も市場成長が見込まれることから、原料であるリソマックスの需要も着実に拡大することが見込まれる。
同社グループは現在、神奈川県横浜市の関東事業所・鶴見地区でリソマックスを生産しているが、拡大する需要に対応するとともにサプライチェーンの強靭化を図るため、九州事業所・福岡地区に量産設備を新設することとした。これにより、ArFフォトレジスト用リソマックスは生産能力が2倍以上になるとともに、EUVフォトレジスト用リソマックスの初めての量産を開始する。
同社グループは、半導体製造工程においてさまざまな材料およびサービスをラインナップしており、引き続き高品質かつ安定的な供給を行なうことで半導体業界に貢献していく。
2024年06月13日