グッドイヤーが6月13日、グッドイヤー・ブリンプが「2024ル・マン24時間レース」の金曜、土曜、日曜の3日間、合計20時間以上の飛行を予定していると発表した。1回の飛行で14人が搭乗でき、選ばれたグッドイヤーのVIPゲストやメディア関係者は、地上300mの上空から大パノラマでレースを観戦することができる。
かつて、グッドイヤー・ブリンプは何十年もの間ヨーロッパ中の主要自動車レース、様々なスポーツイベント、あるいは文化的イベントの常連であった。そして、2020年の「ル・マン24時間レース」で待望の復帰を遂げて以来、グッドイヤーの空のアイコンは再びサルト・サーキットの風物詩となった。
5年連続で、今年もル・マンの上空にはグッドイヤー・ブリンプが飛行する。詰めかける何十万人ものモータースポーツファンの目を魅了するだけではなく、上空からの迫力あるレース展開の映像も提供する。
グッドイヤーの飛行船(ブリンプ)が初めて登場したのは1910年代のころで、これを機に様々なイベントにおける映像の新しい視点を提供することになる。1950年代、グッドイヤー・ブリンプはテレビ中継に使用されるようになった。1955年には、米国の伝統的なローズパレードとカレッジフットボールのローズボウルで、空中カメラのプラットフォームとして初めて採用された。以降、グッドイヤー・ブリンプはスーパーボウルからロイヤルウェディングまで、様々なイベントで活躍している。
現在、3機のグッドイヤー・ブリンプがオハイオ州、フロリダ州、カリフォルニア州それぞれのベース基地から全米の都市へと飛び立ち、毎年約200のイベント開催地の上空を飛行している。2020年、4機目のグッドイヤー・ブリンプがヨーロッパでデビューを飾った。このブリンプは、ル・マンやニュルブルクリンクの24時間耐久レースの上空を飛行するだけでなく、ロンドン、コペンハーゲン、ミラノなどの都市を訪れ、人々の大きな話題となった。
現在、ドイツのライン・ルール地方にあるエッセン/ミュルハイム空港を拠点とする新しいグッドイヤー・ブリンプは、全長75m、幅19・5m、高さ17・4mで、同種の飛行船としては世界最大の大きさを誇っている。ガスの総容積は8425㎥で、この最新のブリンプでは最大限の安全性を確保するため、すべて不燃性ガスであるヘリウムが使われている。
このモデルは、技術的に言えばツェッペリンNT型半硬式飛行船であり、米国で運航されている3機のグッドイヤー・ブリンプと同じで、200馬力のエンジンを3基搭載し、最高時速125km、飛行距離1000kmを可能にする。通常、主要幹線道路や高速道路に沿って飛び立ち、最高高度3000mに達する。そして、地上にいるクルーからのナビゲーションや通信支援を受けながら飛行する。
2024年06月17日