旭化成は6月13日、WFI(Water For Injection)装置の販売を、本年4月から開始したと発表した。
同社は、水処理や液体製品の分離を行うための中空糸膜である「マイクローザ」のシステム設計・開発力を活かし、一般的なWFI装置である蒸留器の代替技術として膜ろ過装置を開発した。本装置を通じて、蒸気使用量を軽減しWFI製造におけるCO2排出量削減及び低コスト化を目指す。
膜・水処理事業について、中空糸膜「マイクローザ」は、医薬・バイオ・食品業界から環境・水処理業界まで、幅広い分野に分離ソリューションを提供している。製薬用水用途もその一つであり、「マイクローザ」は本用途においても、高いろ過信頼性や技術サポートにより顧客から高い評価を得ている。
販売を開始したWFI装置は、蒸気滅菌可能なUF膜を搭載し、これらのUF膜は製薬業界でも多くの導入実績を有している。本装置は、膜メーカーならではのコンパクトで優れた操作性を有しており、従来の蒸留法と比べ、蒸気使用量を低減でき、CO2排出量およびエネルギーコストを削減可能となっている。また、蒸留法で必要な、蒸気を冷却して液体化するプロセスが不要で、工程の簡略化や蒸留水よりもクリーン度の高い水質を得ることが可能となっている。
同社は、従来の蒸留プロセスから膜ろ過プロセスへ切り替えを促進することによって、製薬に関わる顧客のCO2排出量の削減とともに、より安全な注射用水を安定的に得ることに貢献していく。
本装置は、2024年6月26日(水)~6月28日(金)開催のファーマラボEXPO(開催場所 : 東京ビッグサイト)の同社ブースで直接見ることができる。
2024年06月17日