東レは6月17日、衣料用・産業用の各分野へ販売するナイロン6糸(長繊維)・綿(短繊維)、ナイロン66糸(長繊維)・綿(短繊維)、ナイロンBCF糸(長繊維)、ポリエステル糸(長繊維)・綿(短繊維)・長繊維不織布(アクスター)、ポリプロピレン長繊維不織布およびアクリル綿(短繊維)について、7月出荷分から価格改定を実施することを発表した。
対象素材はナイロン6長繊維(衣料用・産業用)、ナイロン66長繊維(衣料用・産業用)、ナイロン6、ナイロン66短繊維、ナイロンBCF糸、ポリエステル長繊維(衣料用・産業用)、ポリエステル短繊維、ポリエステル長繊維不織布(アクスター)、ポリプロピレン長繊維不織布、アクリル短繊維で、価格改定幅は+20~80円/kg。
3月度にアナウンスした4月からの国内運輸費上昇に加えて、国際情勢変化によるスエズ・パナマ運河の混雑継続、紛争地回避輸送などにより、原料や原糸輸入のための運賃・フレート費用の上昇は継続しており、同社および協力工場における国内生産工場の人手不足・要員維持のための労務費、業務委託費についても上昇している。さらに、150円台後半で高止まり継続している円安により、原料や輸入原糸のコストは更に上昇している。
このような環境下、同社は固定費および比例費のあらゆる項目について、徹底的な削減と効率化による自助努力を続けてきた。2023年度から始まった新たな中期経営課題「プロジェクトAP-G 2025」においても、組織の総合力を活かした組織横断的コストダウン活動「トータルコストダウンプロジェクト」を推進し、徹底したコスト削減の取り組みを強化している。
あらゆる角度から、継続的なコスト削減と合理化に努めてきたが、自助努力のみで吸収できる水準を超える極めて厳しい状況となっている。このような環境下、安定した品質での製品供給や、さらなる高付加価値品の開発・提案を行う体制を維持・推進するため、価格改定(値上げ)を決定した。
2024年06月19日