デンカ、CVCを通じ出資 米国のCNTベンチャーに

2024年06月20日

ゴムタイムス社

 デンカは6月18日、ペガサス・テック・ベンチャーズと共同で運営する CVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)ファンドを通じて、カーボンナノチューブを開発するスタートアップ企業のカーボンフライへ出資したと発表した。
 カーボンフライ社は、アセチレンを原料としたカーボンナノチューブを中心に、ナノカーボン材料やその関連製品を開発しており、同社は、カーボンフライ社と協業検討を進めてきた。カーボンフライ社は、独自の製法により、高純度、均一なサイズ制御、加工性の特長を持つ多層カーボンナノチューブを生産できる技術を保有しており、多彩なアプリケーションへ社会実装することを理念としている。
 同社は、カーボンフライ社への出資を通じて、リチウムイオンバッテリー用途での同社のデンカブラックとの併用による性能向上に向けた共同開発などで連携を図っていく。また、将来的には、同社の開発する二酸化炭素を原料としたカーボンナノチューブ製造技術を支援し、リチウムイオンバッテリーのサステナブルなサプライチェーンを構築していく。
 同社は、経営計画「Mission 2030」に基づき、世界各国の最先端技術を持つスタートアップ企業への出資や提携を行うことで新規事業創出を推進するために、昨年1月にCVCファンドを設立した。
 CVCを通じた取り組みとして、2030年度までに最大で約1億米ドルの投資を計画している。
 同社は、これからも「化学の力で世界をよりよくするスペシャリストになる」というパーパスのもと、世界に誇れる化学で、人々の暮らしと社会に貢献し続ける。

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