島津製作所は6月18日、6月7日に「次世代グリーンCO2燃料技術研究組合」(Research Association of Biomass Innovation for Next Generation Automobile Fuels、以下raBit)に賛助会員として参画したと発表した。
raBitは燃料を「つくる」プロセスでの効率化の研究を目的に2022年7月に設立された技術研究組合で、現在ENESOS、スズキ、SUBARU、ダイハツ工業、トヨタ自動車、豊田通商、マツダの7社が組合員として運営している。同社はバイオエタノール燃料の品質および製造工程のモニタリング方法の効率化に関する研究に分析技術でraBitに協力する。
raBitは、バイオエタノールの原料として福島県浪江町で非可食の作物(第二世代バイオマス)を栽培しており、バイオマスの利用・生産時の水素、酸素、CO2を循環させて効率的な自動車用バイオエタノール燃料の製造を目指している。
主な研究テーマは、エタノールの効率的な生産システムの研究、副生酸素とCO2の回収・活用の研究、燃料活用を含めたシステム全体の効率的な運用方法の研究、効率的な原料作物栽培方法の研究となる。
同社の主力製品である高速液体クロマトグラフ(HPLC)は、バイオマスの糖化液や、バイオエタノール発酵液中の糖類、エタノールや有機酸の分析に用いられている。raBitのバイオエタノール生産研究施設(福島県双葉郡大熊町)にて各工程のモニタリングにHPLCなどの分析機器を活用することを予定している。さらに発酵阻害物の分析など、発酵工程の最適化に分析技術で協力する。同社は中期経営計画において「グリーン領域」に注力しており、今後はraBitの賛助会員としてカーボンニュートラル社会の実現に向けた研究開発を推進していく。
2024年06月20日