【コラム連載シリーズ】世界のゴム事情83 メキシコ・米国前編 加藤進一

2024年07月01日

ゴムタイムス社

 先月はメキシコ、米国に出張してきました。取引先の日系ゴム会社への訪問が主な目的です。ゴム産業を見てみると、メキシコはフル稼働で忙しい一方、米国は人手不足に悩むという構図です。米国からメキシコにゴム部品の生産が移動してきている状況になっています。

 米国は人件費の高騰、かつ人手不足という問題があります。米国では金利が上がり、ローンが組めず、自動車販売に勢いがありませんでしたが、最近は自動車生産量が回復し、米国のゴム産業にも薄日が差しています。その一方で、原材料の値上げはずっと続いています。日本はブタジエンをはじめ、ナフサ、原油価格、天然ゴム相場をベースにゴムの原材料の価格を決めていることが多いのですが、米国は、それに加え、需給バランスも加味されて、原材料価格がサプライヤーから一方的に決められることが多いようです。
 さて、メキシコの出張ではイラプアートとメリダの2都市に行きました。イラプアートはレオン空港の近くにあり、日系ゴム会社が多い場所です。この地域も、日本の外務省の危険情報で最近レベル1(十分注意してくださいの指定、2番目に低いレベル)に指定

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