日本ゼオンは6月20日、CVCを運営する子会社Zeon Venturesを通して、高精度なマルチマテリアル3Dインクジェット・プリント・システムを開発する米国スタートアップInkbit Corporation(Inkbit社)に投資したと発表した。同社は、同投資を通じ、同社製品の新たな用途開発および、新素材開発を目指す。
Inkbit社は、1つのプラットフォーム上で試作から量産までをシームレスに実施可能とするマルチマテリアル3Dインクジェット・プリント・システム「Vision-Controlled Jetting( VCJ)」を開発した。
VCJは、複数の異なる特性を持つポリマーを組み合わせた3Dプリント部品を大量生産するために設計されており、独自の3Dスキャンシステムを用いてリアルタイムで生成をコントロールすることにより、高精度な部品の大量生産が可能となる。
同社は、今回の投資を機にロボット工学、ヘルスケア、モビリティ、産業オートメーション、防衛などのあらゆる分野へ展開が期待されるVCJを活用した同社製品の新たな用途開発および、新素材開発を目指す。また、同社グループの様々なアセットを共有することで、Inkbit社の更なる成長の支援に加え、Inkbit社との協業の可能性を検討していく。
同社は中期経営計画STAGE30で「2030年度新規事業売上高プラス600億円」を掲げ、新規事業の拡大を目指している。今後も重点4分野(「医療・ライフサイエンス」「CASE・MaaS」「情報通信(5G/6G)」「省エネルギー」)でのスタートアップへの投資・支援や、あらゆる産業・分野に変革をもたらす新素材の提供と用途開発により、「持続可能な地球」と「安心で快適な人々のくらし」に貢献していく。
2024年06月21日