三井化学とブルーキャット SimCSEモデル活用開始

2024年06月21日

ゴムタイムス社

 三井化学は6月20日、blueqat(ブルーキャット)と共同で、同社製品の新規用途発見を加速させるため、自然言語処理と量子計算の先端技術を組み合わせた取り組みを開始したと発表した。
 同取り組みでは、Simple Contrastive Learning of Sentence Embeddings(SimCSE)と呼ばれる自然言語処理モデルを活用している。SimCSEモデルは、文書や文章の意味を捉えたベクトル表現を生成する高性能なモデルで、精度の高い文書間の意味的な類似度を算出する。情報検索や質問応答システムなどへの応用が期待されている。
 今回、両社は特許データベースを基にSimCSEモデルの事前学習を実施し、さらに、テンソルネットワーク技術の適用により、SimCSEモデルの情報を効率的に圧縮することに成功した。このモデルの活用例としては、特許調査や新規用途探索分野への応用が挙げられる。
 また、テンソルネットワークで圧縮された機械学習モデルは量子回路との互換性も備えており、将来的に、量子コンピュータ上での実行も期待できる。
 今後も同社は、大規模言語モデルの活用に向けた自然言語モデル等機械学習技術と量子技術の組み合わせによるDX推進にチャレンジしていく。

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