BASFは6月19日、包装資材業界に業界初となる再生可能資源の使用を拡大する新たな方法を提供すると発表した。バイオポリマーの配合材として幅広く使われているポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)に、バイオマスバランスecoflex(ecoflex BMB)を投入することで、生分解性(堆肥化可能)ポリマーの製品ポートフォリオを拡大する。
新しいecoflex F Blend C1200 BMBでは、製造工程で通常使用される化石資源を、バリューチェーンの初期段階で再生可能資源に置き換えている。再生可能な原料は廃棄物やバイオマス残渣に由来し、REDcert2とISCC PLUSに従って認証されたマスバランスアプローチによってecoflexグレード製品に割り当てられる。
バイオマスバランスのecoflexは、化石資源の使用削減に貢献するだけでなく、通常のecoflex F Blend C1200と比較して、プロダクトカーボンフットプリント(PCF)も60%削減する。
コンポスト袋などPBATをベースとした堆肥化可能な製品は、有機廃棄物を回収し、リサイクルをしやすくすることで、循環型経済の構築に貢献する。しかし、PBATの生産において、化石資源の使用を完全に回避することは現時点では不可能なので、ecoflex BMBの投入により、同社はこのギャップを埋め、使用後に有機的にリサイクルできるソリューションを提供する。さらに、その化石資源は、製造プロセスの初期段階で再生可能な原料に完全に置き換えられる。こうして同社は、循環型経済の生物学的ループを閉じるための新たな一歩を踏み出す。
ecoflex BMBにより、包装資材業界の顧客は、性能と品質を犠牲にすることなく、また新たな生産設備への追加投資を必要とすることなく、化石資源の消費量削減に貢献し、製品の差別化を図ることができる。ecoflex BMBは、特性、品質、認証において従来のグレードと同じであり、顧客はecoflex BMBを使用した製品の再評価、配合の調整、既存の製造工程の調整を行う必要はない。顧客は、慣れ親しんだ従来品と同じ性能を期待することができ、ドロップインソリューションの恩恵を受けることができる。
「バイオポリマーのパイオニアとして、私たちは再生可能な資源を用いた循環型経済への移行において顧客をサポートする努力を続けていく」と、同社のバイオポリマー・グローバル事業責任者であるマーセル・フィリップ・バースは述べ、さらに「当社のecoflex BMBは、世界のバイオポリマー市場において業界初の製品であり、化石資源の使用量を削減し、温室効果ガスの排出量を減少させ、有機廃棄物や残留バイオマスから得られる再生可能な原料の使用を促進することで、包装資材業界における持続可能性への取り組みを推進している。このように、私たちは顧客が十分な情報を得た上で製品設計できるように支援し、より循環型の包装資材バリューチェーンを形成する。」と述べている。
バイオマスバランス・アプローチでは、製造工程の最初の段階で、化石資源の一部を廃棄物由来の再生可能資源に置き換える。そして、再生可能資源量は、第三者認証の方法によって、製造工程の最終段階で特定の製品に割り当てられる。同社は、使用する再生可能な原料から最終製品に至るまでの加工・流通管理を確立している。独立した第三者認証により、同社はREDcert2およびISCC PLUSの要件に従って、顧客が購入する製品において必要な量の化石資源を再生可能な資源に置き換え可能になる。
ecoflexは1998年以来、生分解性があり、堆肥化可能であることが認証されたバイオポリマーとして初めて市場で発売された製品である。ecoflexをベースとしたバイオポリマーのイノベーションは、使用済みのプラスチック製品に新たな選択肢をもたらし、有機物のリサイクルを可能にすることで、循環型経済に貢献している。
ブレンドパートナーとして、ecoflexは、同社の堆肥化可能認定を受けたコンパウンド品であるecovioに、柔軟性や強靭性といった特殊な材料特性を与えている。ecovioの利点は、生産、梱包、食品の品質保持期限だけでなく、食品廃棄物の収集においても有効であることが、研究により実証されている。このような利点は、商業用および家庭用堆肥化設備や農地における生分解性に関する認証など、材料の特性に基づいている。ecoflexとecovioは、食品廃棄物の回収をしやすくすることで食品廃棄物を減らし、高品質の堆肥として土壌に栄養分を還元する。 これが、有機資源のリサイクルによる栄養分の継続的な循環につながり、循環型経済に貢献する。
2024年06月21日