ユニチカは6月20日、金属を使用しない触媒を用いたポリエステル重合技術を開発し、世界で初めて工業化技術を確立したと発表した。PET(ポリエチレンテレフタレート)に代表されるポリエステルは、重合触媒として従来からアンチモンやゲルマニウム、アルミニウム、チタンといった金属系の触媒を用いている。金属を使用しない触媒では活性が低く、金属触媒と同等の重合性、物性を得ることは難しく、工業化は困難とされてきた。
金属触媒は、ポリエステルの製造開始時より、その活性の高さから長く使用されている。しかし、用途によっては金属を使用しないことが望ましいケースが出ていること、近年の金属の枯渇・高騰などから、金属を使用しない触媒・重合技術の開発が望まれていた。
同社は、これまでに培った重合技術を生かし、従来使いこなすことが難しかった非金属触媒を用いて、従来と同様の重合性を確保し、物性も同等であるポリエステルの重合技術を開発し、世界で初めて工業化技術を確立した。
環境に優しい非金属触媒を使用したポリエステル樹脂は、色目は従来と変わらず、金属によるくすみもなく透明性に優れ、溶融加工時の分子量は従来の金属触媒品と同等でほぼ低下することはない。同社は本ポリエステル樹脂の関連技術は特許出願済みで、各種用途展開を図るとしている。
2024年06月21日