帝人グループの欧州における炭素繊維事業会社であるテイジン・カーボン・ヨーロッパ社は6月24日、ドイツのオーバーブルフ工場で生産する炭素繊維「テナックス」について、持続可能な製品の国際認証のひとつであるISCC PLUS認証を取得したと発表した。
炭素繊維は、それを用いた乗り物などの低燃費化への寄与が期待される「軽くて強い」素材として幅広い用途で使用しているが、近年、ライフサイクル全体を通じた温室効果ガス(GHG)の排出量削減へのニーズが高まっている。
同社グループでは、炭素繊維「テナックス」製品におけるライフサイクル全体のGHG排出量削減を実現すべく、ISCC PLUS認証の取得をグローバルに進めている。同認証に基づいたマスバランス方式を適用した炭素繊維は、製造に用いた環境配慮型の原料が石油由来原料と同等の物性であるため、従来品と同等の物性を有す。そのため、従来品から容易に切り替えることができ、ライフサイクル全体のGHG排出量削減に貢献する。
2023年6月には、静岡県の三島事業所で生産する炭素繊維「テナックス」とその原料であるポリアクリロニトリル(PAN)について、世界で初めて同時にISCCPLUS認証を取得し、同年12月より同認証に基づいた炭素繊維の生産と販売を開始していた。同社が生産する「テナックス」のこのたびの同認証取得はそれに続くもので、今後は欧州拠点からも同認証を取得した炭素繊維の供給が可能となる。
同社グループは、事業活動に伴う環境、社会への負の影響が最小限となるよう努力し、長期ビジョンである「未来の社会を支える会社」となることを目指していく。
2024年06月25日