合成ゴム特集 レゾナック 地域・顧客密着の営業に注力 ラテックスの流通在庫が解消傾向に

2024年07月09日

ゴムタイムス社

 レゾナックはコア成長事業として、エレクトロニクスとモビリティを挙げており、今後大きく成長を担う事業に積極的に投資を行う。一方で、安定した利益を稼ぎ、投資資金を捻出する収益基盤を築いているのが安定収益事業だ。その事業うち、基礎化学品ではクロロプレンゴム(CR)「ショウプレン」や塩素化ポリエチレン(CPE)「エラスレン」の製造・販売を展開する。
 エラストマーグループのCR「ショウプレン」事業は他社との差別化を図るため、10年以上前から事業の軸足をラテックスにシフトしている。
 23年度のショウプレンの需要動向を振り返ると、「お客様の流通在庫高の影響により、昨年初から我々の製品自体の出荷も下振した。ただし、12月以降、需要が回復したほか、一部のお客様で在庫が解消しはじめた」(同)。
 ラテックスでは、とくに注力する手術用や検査・試験用手袋の需要が厳しく、「21年度はNBRの試験用の手袋がタイトだったため、その代替でCRの需要が旺盛となり増収増益だったが、その部分の需要がなくなった」(同)こともひとつの要因と考えられている。また接着剤用途もグローバルで需要減となった。

 一方、ドライチップは北米が中心で堅調推移し「個人消費などが牽引したことにより、需要は堅調だった」(同)。
 24年度第1四半期では、出荷量に関しては善戦しており、「東南アジア、欧州、米国が想定よりも景気の復調が感じられる。前倒しで在庫調整が解消し通常どおりに戻りつつある」(同)。一方、ドライチップも昨年度に引き続き堅調な動きだった。
ショウプレンは地域密着・顧客密着の営業体制をより強化していき、「できるだけ差別化できるような分野・用途への注力していく」考えだ。
 エラスレンは若干苦戦しているものの、良いスタートを切っている。  

 23年度のエラスレンの需要動向は「エラスレンの特性や配合・成形技術を活用したコンパウンド事業はインフラ資材等への拡販により増販が奏功した」(同)という。
 エラスレンは唯一の日本製という立ち位置で品質のアバンテージがあることを訴求し、加えてコンパウンド事業の拡販で事業成長させていく。
「当社のCRやCPEでなければいけない用途・分野に対して、販売力を更に高めながら、しっかりと安定供給をしていくことが重要だ。その役割を果たしていく」(同)としている。

 

ショウプレン(CR)

ショウプレン(CR)

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