新研究棟「MEGURU」稼働 住友化学、価値創造を加速

2024年06月28日

ゴムタイムス社

 住友化学は、千葉地区(千葉県袖ケ浦市)で建設を進めていた新研究棟「Innovation CenterMEGURU」(MEGURU)の竣工式を6月26日に執り行い、同日稼働を開始した。研究棟は同社の環境負荷低減技術に関わる研究組織を千葉地区において集約・強化するためのものであり、今後、技術や素材の開発をさらに加速し、新たな価値創造につなげていく。
 2050年のカーボンニュートラル実現を目指す動きが世界的に加速する中、住友化学は、石油化学関連事業について、環境負荷低減技術による価値創造に大きく舵を切る。今回の一連の取り組みは、その中核となる千葉地区での研究開発体制を変革することを目的としたもの。
 住友化学の千葉地区は、従来から主に石油化学関連事業の製造・研究拠点として、高分子設計、触媒、プロセス、コンパウンド、加工などの技術に加え、事業化に必要となる実証のためのスケールアップ設備を有してきた。MEGURUでは、今後これらの技術を基盤とし、ケミカルリサイクルやマテリアルリサイクルなどの革新的な技術を生み出し、日本はもとより世界レベルでの社会実装を目指す。
 同時に、これまで筑波地区や大阪地区に配置していた、スーパーエンジニアリングプラスチックや機能化学品などの研究に関わる人材や設備を、高分子材料開発の主力拠点でもある千葉地区内のMEGURUに移管、集約する。これにより、社内外の連携を一層強化できる体制を整備し、次世代のモビリティ材料や高速移動通信システム向け材料など、新素材の早期創出につなげていく。
 「MEGURU」という名称には、住友化学の創業精神である、事業を通じて社会課題を解決する姿勢への「原点回帰」と、次世代の「循環型社会」に資する技術革新を進めるという思いが込められている。また、こうした考えに基づいて、本施設では研究者間の交流を促進する空間設計を導入するとともに、建築物省エネルギー表示制度(BELS)の最高ランクを獲得し、「ZEB Ready」の認証も取得するなど、環境に配慮した設計が施されている。
 住友化学は、これまで培ってきた環境負荷低減技術に関する経営資源などを最大限活用しながら、新たな価値創造を実現し、ソリューション提供型ビジネスに重点を置く事業ポートフォリオへの変革を加速していく。

新研究棟「MEGURU」外観

新研究棟「MEGURU」外観

新研究棟「MEGURU」の概要

新研究棟「MEGURU」の概要

 

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