クラレは6月27日、メタクリル事業においてメタクリル酸メチル(以下MMA)プラントの生産能力を最適化することを決定したと発表した。また、これによりMMAおよび一部の川下製品の生産および販売量が2025年7月より減少することになることも併せて発表した。
同社は、1959年より新潟事業所におけるMMAやメタクリレートチェーンの川下製品であるメタクリル樹脂などの製造販売をしているが、近年は市場環境の変化や設備老朽化による維持更新費用の増加に伴い、事業環境は厳しくなっていた。
将来的にも事業継続可能な収益を確保し、安定的な製品供給を継続していくためには、生産能力縮小を伴う製品構成の最適化と高経年化対策費用の削減による競争力強化が必須との判断に至った。
生産能力・供給体制は、MMAが現状6万7000t/年の生産能力を半減し、外部販売は停止し、川下製品では硫安、メタクリル樹脂成形材料の生産能力を縮小する。なお、メタクリル酸(MAA)およびメタクリル樹脂シートについての変更はない。
クラレグループは中期経営計画「PASSION 2026」において、事業ポートフォリオの高度化を重要施策と位置づけ、コア事業への重点的な資源配分と、縮小・撤退事業の見極めを進めている。社会・環境価値、経済価値を考慮の上、事業・製品の構成組み換えを継続することによりポートフォリオの高度化を実現していく。
2024年07月01日