中国杭州に新工場建設 横浜ゴム、乗用車向け増強

2024年07月01日

ゴムタイムス社

 横浜ゴムは7月1日、中国に乗用車用タイヤの新工場を建設すると発表した。生産能力は年産900万本でスタートし、将来的な拡大も想定する。投資額は19億6000万元(約367億円)で26年第2四半期から生産開始を予定している。
 新工場建設は、中国現地政府の都市再開発を目的とした移転要請に応じたもので、現地のタイヤ生産子会社である杭州優科豪馬輪胎有限公司の既存工場を移転し、同じ杭州市銭塘新区内に新工場を建設する。今回の新工場建設は中国の浙江省・杭州市・銭塘新区政府が関わる重要な外資投資プロジェクトとなるため、新たに杭州銭塘優科豪馬輪胎有限公司を設立する。
 新工場については24年度から26年度までの新中期経営計画「Yokohama Transformation 2026(YX2026)」のタイヤ消費財の成長戦略に掲げた「1年工場」の第一弾となっている。新工場立ち上げでは、同社が今まで培ってきたノウハウだけでなく、現地で実績のある協力企業のノウハウも取り入れることにより、低コスト・高効率生産を実現し、市場競争力の高い工場を1年で立ち上げることに挑戦していく方針だ。
 また、今回の移転を機に、中国市場における今後のさらなる需要増を確実に取り込むため、生産能力を既存工場の600万本(年)から300万本増強し、900万本(年)とする。
 特に新車装着向けはEVなど新エネルギー車への納入を拡大していく。市販向けはグローバルフラッグシップタイヤブランド「ADVAN(アドバン)」やSUV・ピックアップトラック用タイヤブランド「GEOLANDAR(ジオランダー)」などの高付加価値品比率を上げるため、ハイインチタイヤの生産能力を強化する。
 また、新工場建設に先立ち、杭州市政府の支援の下、同市内に所在する有力な新エネルギー車生産販売会社であるLEAPMOTOR社などとの戦略提携に調印した。今後も新エネルギー車への納入拡大を目指し、自動車メーカーとのさらなる関係強化を図る。
 〇杭州銭塘優科豪馬輪胎有限公司の概要。本社工場所在地は浙江省杭州市銭塘新区。設立は24年6月。出資比率は横浜ゴム100%。事業内容は乗用車用タイヤの生産。生産開始(予定)は26年第2四半期。生産能力は900万本/年(既存工場600万本/年)となっている。

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