横浜ゴムは7月2日、2024年6月にタイ天然ゴム公社スラタニ支局と共同で、タイの天然ゴム農家に対し、天然ゴムの品質および生産性向上に向けたセミナーイベントを開催したと発表した。同セミナーイベントの実施は2020年の初開催から数えて7回目となる。
今回のセミナーにはスラタニ地区の70戸の農家が参加。同社社員のほか、同社の天然ゴム加工会社のY.T.Rubber(Y.T.ラバー)の社員、タイ天然ゴム公社の職員とともに、約5時間にわたり、天然ゴムの苗木の選択や植え方に加え、肥料を与えることの目的と効果や天然ゴムへの異物混入防止の重要性などについて理解を深めた。
参加者からは、「今まで経験に頼っていたが、今回のセミナーで天然ゴムの品質や生産性を高めるための知識を得ることができ、非常に良い経験となった。」などの声が寄せられた。また、参加者にはタイ天然ゴム公社の知見を活かした肥料を1農家あたり250kg無償提供した。
同社は2020年1月、同社の「持続可能な天然ゴムの調達方針」に基づき、タイ天然ゴム公社と天然ゴム農家の経営支援およびサプライチェーンの透明性と健全性を確保するためのトレーサビリティの向上に協力していく覚書を締結した。セミナーイベントは同覚書に基づき、農家支援の一環としてY.T.ラバーが立地するスラタニ地区で開催しているもの。また、肥料を提供した農家からは天然ゴム物性や生産性についての追跡調査への協力を得ている。
同社は、持続可能な天然ゴムのためのプラットフォーム(GPSNR)に創設メンバーとして参画するとともに、2021年9月には従来の「持続可能な天然ゴムの調達方針」を改定し、GPSNRの活動との連携を強めている。今回のセミナーイベントは同方針に掲げられた「サプライチェーンに関わる方々への支援」を反映したもので、今後も同方針で定めた活動指標に沿った取り組みを実施し公表していく。また、国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に取り組んでおり、その一環として天然ゴムをはじめとしたサステナブルな原料調達に向けた活動を推進している。
同社はサステナビリティ・スローガンとして「未来への思いやり」を掲げ、事業活動を通じた社会課題への取り組みにより、共有価値の創造を図っている。
2024年07月03日