出光興産らが世界最高性能達成 アンモニアの連続電解合成

2024年07月05日

ゴムタイムス社

 出光興産、東京大学、大阪大学大学院工学研究科、産業技術総合研究所は7月4日、共同で実施している研究開発において、空気中に多量に存在する窒素と水から常温・常圧で進行するアンモニアの連続電解合成で世界最高性能を達成したと発表した。
 燃焼時にCO2を排出しないアンモニアは、水素キャリアや発電・工業ボイラー用の新燃料として注目されているが、高温・高圧で製造されるため、製造時のCO2排出量の抑制が課題のひとつとなる。
 このたびの研究成果は、常温・常圧下の窒素・水・電気(再生可能エネルギー由来を想定)でアンモニアを連続的に製造できることをラボスケールで実証したもの。100年以上の歴史を持つ現在の製造方法(ハーバー・ボッシュ法)に替わり、アンモニア製造工程におけるカーボンフリーの実現にはずみをつける革新的な技術となる。
 研究開発においては、東京大学大学院工学系研究科の西林仁昭教授らが開発したモリブデン触媒を応用している。このモリブデン触媒に適した電解合成技術の開発により、電解合成に使用する電極の単位面積当たりのアンモニア生成速度が従来技術より約20倍向上し、世界最高性能を達成した。
 同研究開発は、出光興産を幹事会社とし、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)のグリーンイノベーション基金事業の委託業務として実施している。今後は、コスト競争力の高い量産化技術の確立を目指し着実に開発を進め、研究成果をさらに発展させていく。

アンモニア電解合成反応試験の様子

アンモニア電解合成反応試験の様子

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