東レは7月12日、公益社団法人発明協会が主催する令和6年度の全国発明表彰が決定し、同社の『高透水性・高除去性・耐薬品性を有する長寿命逆浸透膜の発明』(特許第6032011号、発明者:高谷清彦、木村将弘、佐々木崇夫、中辻宏治、志村晴季)が「WIPO賞」を受賞したと発表した。
今回の受賞は、工場廃水や下廃水の再利用に使用される逆浸透(RO)膜の発明に関するもので、RO膜表面に付着した汚れを取り除く洗浄薬品(酸、アルカリ)に対する耐久性が低いと、構造が劣化し、得られる水の水質が低下する課題に対し、酸・アルカリに対する構造安定性の向上、水の選択的な透過を実現する孔のサイズ制御の両者が必要であることを見出し、これらを実現する製膜プロセスの精密制御に取り組み、高透水性・高除去性・耐薬品性を両立したRO膜の実用化に至ったことが評価されたもの。
本技術を適用したRO膜は、世界100ヵ国以上のプラントにおいて、工業用水や農業用水、飲料水の製造に利用され、国際社会が直面する水不足の解消に向けた安全で安心な水の提供に貢献していく。
表彰式は、正仁親王妃華子殿下の御臨席の下、7月11日(木)に執り行われ、5名の発明者に「WIPO賞」が授与された。
同社は、「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」の企業理念のもと、有機合成化学、高分子化学、バイオテクノロジー、ナノテクノロジーをコア技術とし、先端材料や革新技術を生み出し、社会の発展に貢献していく。
2024年07月16日