レゾナックは7月17日、日本郵船が世界初の商用のアンモニア燃料船として8月下旬に竣工する予定のアンモニア燃料タグボート(AーTug)に、同社製の環境性能の高い低炭素アンモニアを供給したと発表した。供給したアンモニアは使用済みプラスチックをリサイクルして製造したものを使用しており、使用済みプラスチック由来のアンモニアを燃料用途で供給するのは世界初となる。
AーTugへの燃料アンモニア供給は、横浜市港湾局の協力のもと、横浜港本牧ふ頭で同日実施した。同年4月10日にお知らせした通り、Truck to Ship方式での船舶への燃料アンモニアの供給は世界初となる。供給に先立ち、日本郵船、JERA、同社をはじめとした関係者は協議を重ね、供給に関わる安全な運用方法の確立、港湾地区への安全な輸送・受け入れ体制の構築に取り組み、世界初となる燃料供給作業を安全かつ円滑に完了した。
アンモニアは燃焼しても二酸化炭素(CO2)を排出しないため、地球温暖化対策に貢献する次世代燃料として注目されている。AーTugに供給する同社のアンモニア「エコアン」は、家庭や企業からゴミとして排出される使用済みプラスチックを原料の一部に使用して「プラスチックケミカルリサイクル」により製造している。同社で製造するアンモニアは、製造過程で化石燃料や化石燃料由来のエネルギーを使わないことで「CO2排出80%強削減」を実現している。
同社は、1931年に川崎事業所で日本最初の国産技術を使ったアンモニアの生産に成功して以来、90年以上にわたり日本のアンモニアの安定供給に貢献してきた。長年蓄積したノウハウを活かして、低炭素アンモニアを安定的に製造し、船舶まで安全に輸送提供していく。
2024年07月18日