ブリヂストンらが大型機へ拡大 タイヤ摩耗予測技術を活用

2024年07月18日

ゴムタイムス社

 日本航空とブリヂストンは7月17日、タイヤ摩耗予測技術を活用した計画的なタイヤ交換オペレーションを、2024年5月からJALが運航するエアバスA350―900型機をはじめとする大型機へ対象を拡大したと発表した。
 航空機用タイヤは、安心・安全を守ることを大前提として、重荷重・高速度・高温~低温の幅広い温度帯など、過酷な状況下での航空機の離着陸を支えている。数百回の離着陸の後に摩耗に伴いタイヤ交換が必要となるが、航空機や空港などそれぞれの使用環境によってタイヤの摩耗進展速度が異なる。
 そのため、計画的に交換時期を予測しにくく、突発的なタイヤ交換の発生や交換時期が集中してしまうなど「非計画」業務となっていた。そこで、2020年5月よりジェイエアが運航するリージョナル機を対象に、JALの航空機に関するフライトデータや知見と、ブリヂストンのタイヤに関する摩耗予測技術や知見を組み合わせ、交換時期を精度高く予測することで、計画的なタイヤ交換オペレーションを開始した。
 約4年にわたる運用の中で、タイヤ交換業務の効率化、およびタイヤ・ホイールの在庫平準化・削減を実現し、またそれらと連動した生産・使用過程でのCO2排出量の削減に寄与している。加えて、タイヤ交換の「計画」 業務化の結果、整備士の予定外残業を削減する働き方改革や、予防整備の拡充による整備業務の品質向上に貢献している。
 今回、これまでに培った両社の知見をもとにタイヤ摩耗予測技術と活用法をさらに進化させ、精度の高い計画的なタイヤ交換オペレーションの対象を従来のリージョナル機から大型機へ拡大した。
 両社は協働でチャレンジを継続し、新たな価値創造を通じて航空産業の発展に貢献していく。

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