旭化成の水現像フレキソ樹脂版 伊藤園むぎ茶のパッケージ製版に採用

2024年07月18日

ゴムタイムス社

 旭化成は7月17日、2024年6月、伊藤園の「健康ミネラルむぎ茶(ティーバッグ)」の包装印刷において水性フレキソ印刷に使用する樹脂版に同社水現像フレキソ印刷樹脂版「AWP」(以下「AWP」)が導入されたと発表した。
 同社は、佐川印刷株式会社、株式会社シズトクと協業して、従来の油性グラビア印刷、ドライラミネート方式と比較して約14%のCO2排出量削減に貢献する。
 水性フレキソ印刷は、溶剤インクを多く使用するグラビア印刷に比べVOC排出が低いこと、また水性インクは低温での乾燥ができ、乾燥工程で消費されるエネルギーが少なくなることなどからCO2排出量が削減できる。さらに印刷樹脂版においても水現像版は、水をベースにした現像液を使用するためVOCを含む有機溶剤の使用を避けることができ、これに伴うCO2排出を削減できる。
 無溶剤型接着剤を使用するラミネートを採用し、常温での硬化が可能で乾燥工程も不要なことからCO2並びにVOC排出を削減する。
 現在、国内のパッケージ印刷においてはほとんどが油性グラビア印刷となっているが、近年、環境への意識の高まりからフレキソ印刷が注目をされており、特に印刷プロセスで溶剤を使用しない水性フレキソ印刷への関心が高まっている。このたび、従来は油性グラビア印刷を使用していた「健康ミネラルむぎ茶(ティーバッグ)」のパッケージにおいて、水性フレキソ印刷と水現像版「AWP」を組み合わせ、印刷プロセスにおいて溶剤を使用しない水性フレキソ印刷が採用となった。
 同社は、「世界の人びとの「いのち」と「くらし」に貢献します」をグループミッションに掲げており、今後も水性フレキソ印刷及び水現像版「AWP」の普及に努め、パッケージ印刷の現場から溶剤を無くすことで印刷現場の環境負荷を低減し、持続可能な社会の実現に貢献していく。

「AWP」が採用された「健康ミネラルむぎ茶(ティーバッグ)」

「AWP」が採用された「健康ミネラルむぎ茶(ティーバッグ)」

製版工程イメージ

製版工程イメージ

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