ユニチカは7月18日、製造時のCO2排出量を約60%削減した環境配慮型不燃透明シート「ユークリアーシートE」の販売を業界に先駆けて開始したと発表した。
「ユークリアーシート」は2008年の販売開始以来、ガラスクロスと樹脂を複合した不燃透明シートとして広く認知されており、主に防煙垂れ壁・間仕切り等に使用されている。
防煙垂れ壁は、火災時に発生する煙を遮断・誘導する排煙設備として、商業施設やオフィス・公共施設等の天井に設置され、建築基準法では不燃材料を使用することが定められており、これまでは板ガラスが多く使用されてきた。東日本大震災以降、落下防止の安全管理意識が高まり、防煙垂れ壁には軽く・割れない不燃透明シートを採用する傾向が加速化している。
今回開発した「ユークリアーシートE」は、従来品と同等の性能を有しながら、CO2排出量を約60%削減した環境配慮型不燃透明シートであり、環境問題への意識が高まる中、市場ニーズに適した製品のラインアップとして位置付けている。
同社は、2013年に施工性が良い「ユークリアーシートA」の販売を開始し、2017年には透明性に優れた「ユークリアーシートKシリーズ」を上市し、ユーザーから高い評価を得てきた。「ユークリアーシートE」は、環境配慮型の商品開発を進め、CO2排出量の大幅な削減に成功した製品である。
「ユークリアーシートKシリーズ」は生産性の改善と使用材料の最適化をすることにより「ユークリアーシートA」と比較するとCO2排出量を約50%削減した。
さらに「ユークリアーシートE」は「ユークリアーシートKシリーズ」と比較し、同等の高い透明性を維持しつつ、材料の一部にリサイクル品の使用によりCO2排出量を約20%削減、「ユークリアーシートA」と比較すると約60%削減した。
販売価格は「ユークリアーシートKシリーズ」と比較し、約10%のコストアップとなるが、将来的には量産することにより最大限コストを抑えていく予定。
同製品は2024年8月から販売予定であり、初年度の売上高1億円、2030年には10億円を目指す。同社では、今後も環境負荷低減と高品質とを両立した製品を開発し、ユーザーのニーズに応えていく。
2024年07月19日