BASFがソリューション発表 合成皮革100%再利用可能へ 

2024年07月19日

ゴムタイムス社

 BASFは7月18日、100%リサイクル可能な合成皮革の製造に向けた革新的なポリウレタンソリューションであるHaptex4・0を発表した。Haptex4・0を使用した合成皮革とポリエチレンテレフタレート(PET)繊維は、革新的な配合とリサイクル技術により、層間剝離をすることなく一緒にリサイクルすることができ、これにより、素材の再利用が可能となる。
 合成皮革はポリウレタン(PU)、PETなど複数の原材料の複合材料であるため、使用済み合成皮革の再利用やリサイクルが業界で長年の課題となっている。各層の接着強度が非常に高く、層ごとに分離することが困難であり、この複雑さが、従来、合成皮革の再利用やリサイクルを困難にしてきた。しかし、Haptex4・0によってこの課題に取り組むことができるようになった。Haptex4・0はリサイクル可能で、廃棄物を一切出さず、より持続可能な製造プロセスを実現する。
 BASFパフォーマンスマテリアルズ事業本部アジア太平洋地域のバイスプレジデントおよびポリウレタンシステム担当であるシルビア・モックは、「Haptex4・0は、技術的に画期的であり、循環経済原則の推進とさまざまな業界におけるリサイクル材料の使用促進に貢献します。Haptex4・0を通じて、BASFは持続可能で高性能かつ耐久性のある材料で顧客のグリーン変革を支援する新たな基準を打ち立てます」と、述べた。
 従来の世代と同様に、Haptex4。0は有機溶媒を使用しない製造プロセスにより、厳格な揮発性有機化合物(VOC)基準に適合している。これにより、合成皮革の生産プロセスが大幅に簡素化され、迅速化される。
 環境面での利点に加えて、Haptex4・0は手頃な価格で耐久性もあり、さまざまな用途に理想的な選択肢となる。厳格なテストにより、Haptex4・0の優れた耐熱性、耐黄変性、およびオートクレーブ条件下での弾力性が実証されている。フットウエアやファッションから自動車の内装、家具に至るまで、Haptex4・0は卓越した品質と耐久性を提供し、性能やコストを犠牲にすることなく、従来の革に代わる信頼性の高いコスト効率の良い選択肢を提供する。
 初代Haptexは2013年に発売され、それ以来、自動車、アパレル、フットウエア、家具などのさまざまな業界で広く採用されている。

Haptex4・0

Haptex4・0

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