積水化学がタイで生産能力増強 ガラス用中間膜で新ライン

2024年07月23日

ゴムタイムス社

 積水化学工業は7月22日、同社の高機能プラスチックスカンパニーが、ラヨン県のタイの合わせガラス用中間膜の生産拠点に「新製膜ライン」を増設することを決定したと発表した。
 今回の生産能力増強にかかる投資額は約80億円で、新製膜ラインは2026年度下期の稼動を予定している。また、新製膜ラインでは、ヘッドアップディスプレイ(HUD)用くさび形中間膜を中心とした高機能製品群(NーHPP)を生産する計画となる。
 中間膜事業部では、自動車や建築物で使用される合わせガラス用中間膜の製造・販売をグローバルに展開しており、自動車向けの中間膜市場では世界トップシェア(2023年度、同社推測)を誇る。世界の自動車生産台数は今後、年率1~2%程度で成長し、2030年には98百万台(2023年90百万台)に達すると予想されている。加えて、新エネルギー車(EVなど)へのシフトが加速しており、合わせガラス用中間膜は、フロントガラスのみならずサイドガラスやルーフガラスなど使用される部位が広がるとともに、補修需要も拡大していることから、自動車生産台数を上回る需要拡大を見込んでいる。
 さらに、安全性・快適性・省エネ性など自動車性能に対するニーズの拡大を受けて、HUD対応、デザイン、遮音・遮熱など高い機能を付加した中間膜については、年率5%以上の高い成長率で推移すると考えている。
 このようなニーズを背景に、2017年下期にモレロス州のメキシコ工場で遮音中間膜を、そして2020年下期にルールモンド市のオランダ工場でHUD向けくさび形中間膜の本格的な生産を開始した。そして今般、タイにHUD用くさび形中間膜、カラー/デザイン中間膜を中心としたNーHPPの生産ラインの増設を決定した。
 今後も、成長を続ける自動車産業と社会課題解決に貢献する高機能で高付加価値な製品の開発・提供を通じて、サステナブルな社会の実現に向けて取り組んでいく。

新製膜ライン増設

新製膜ライン増設

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