住友理工が開発量産を推進 燃料電池トラック向け製品

2024年07月25日

ゴムタイムス社

 住友理工はカーボンニュートラルおよび水素社会への対応に向けた事業活動を進めており、その一環として現在各所で運用を開始する燃料電池トラック(FCトラック)用防振ゴム、ホースなどの製品開発・量産を行っている。
 同社が現在量産を行っているのは、Commercial Japan Partnership Technologiesが企画している小型のFCトラックに向けた製品。主なFCトラック用製品は、①水素タンクマウント、②水素ホース、③FCセル用ガスケットである。
 まず、水素タンクマウントは、水素タンクをボディー部分に固定するために取り付けられるマウント(防振ゴム)。水素タンクの安定支持の役割を担い、タンクバルブからの振動低減に貢献する。
乗用車と比べて長時間使用するトラッく゚は水素タンクの容量が多く、その分サイズ・重量のある水素タンクが使用されるため、振動低減と信頼性が両立するよう設計開発を行った。
 次に水素ホースは、水素タンクに充填された水素をFCスタックへ供給する。分子量が小さい水素に対する、非常に高度なシール性要求に応えている。車両サイズが大きいトラックへ水素を供給するため、乗用車のホースよりも長尺化したことに加え、シール性能を維持できるよう設計開発した。
 FCセル用ガスケットは、セパレータと呼ばれる板状の部材や発電部材などからなるセルの構成部品のうち、水素と酸素、そして水の漏れを防ぐゴム製シール部材。FCスタックはセル330枚が積層された構造で、これら1枚1枚に本製品が搭載されている。また、セル用ガスケットは氷点下から100℃以上の広い温度領域で高いシール性を発揮し、燃料電池車(FCEV)の長期安全性、高効率な発電性能に貢献する。

水素タンクマウント

水素ホース(乗用車用)

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