積水化学工業の高機能プラスチックスカンパニーは7月25日、この度武蔵工場における先端半導体製造工程に使用される高接着易剥離UVテープ「SELFA」の生産能力増強および同製品を含む半導体関連材料の評価・分析が可能なR&D拠点を台湾に新設することを決定したと発表した。
高接着易剥離UVテープ「SELFA」は、高い接着性とUV照射による易剥離(テープと被着体間にガスを発生させ、密着力をゼロにして簡単に剥がすことができる)性を両立させたテープである。これにより、薄く研磨されたウエハー等でもダメージ無く加工することが可能になる。
これらの優れた特性は、AI(人工知能)・高速通信向けの最先端半導体や車載向けパワー半導体向けを中心に顧客より高く評価され、半導体市場の発展に寄与している。同市場は、2030年に2023年比の約2倍の1兆ドル規模に達すると同社では予測している。
今後、継続的な需要拡大が見込まれることから、安定的な供給体制確立と高度な品質要望に応えるため、生産能力増強と品質管理レベル強化を図る。
また、重要顧客をはじめ半導体関連企業が集積し、最先端の技術開発を積極的に行っている台湾(新竹市)に、R&D拠点を新設することを決定した。これにより、顧客の近接地にて評価・分析を行うことが可能となり、高度化が進むニーズの先取り、対応強化を図り、本製品をはじめとした各種半導体材料の新規開発の加速、採用拡大を目指す。
投資総額は約50億円で、稼働時期は武蔵工場が2027年度上期(2027年4月~9月)、台湾半導体材料R&D拠点が2025年4月予定。
今後の半導体分野事業について。エレクトロニクス関連事業における半導体分野拡大に向けて、台湾の半導体材料R&D拠点を皮切りに、韓国・米国などへの拠点展開も検討していく。今後も、社会課題解決に貢献する高機能で高付加価値な製品の開発・提供を通じて、より快適で便利なくらしとサステナブルな社会の実現に向けて取り組んでいく。
2024年07月26日