日立とレゾナックが大分コンビナートで デジタル化基盤を構築  

2024年07月30日

ゴムタイムス社

 日立製作所とレゾナックは7月29日、大分県大分市のレゾナック大分コンビナートにおいて、プラント操業の安定化と技術伝承を支えるデジタル化基盤を構築し、2024年5月から本格運用を開始したと発表した。同基盤には日立のLumadaソリューションで、製造業における業務ノウハウのデジタル化や既存システムに散在するデータを統合的に管理する情報一元管理プラットフォーム「ウィガレス」を活用している。
 石油化学製品の基礎原料であるエチレン製造の運転業務に関する約3000のアラーム(異常予兆などの警告)について、デジタル化基盤の構築と効果の検証を経て、本格運用を開始した。「ウィガレス」を導入することで、熟練運転員の経験やノウハウを蓄積し、プラントの異常予兆に対する運転員の行動を支援する。
 例えば、異常予兆に対して、解決に必要なマニュアルや図面などの情報を短時間でユーザーに表示する。AIを活用した日立の異常予兆検知システム「アルティモ」の信号活用により実現したもので、レゾナックではプラントの運転員が同じ情報をこれまでの約半分の時間で取得できるようになった。
 両社は今後、大分コンビナートにおいて「ウィガレス」を業務ノウハウの継承や安全・安定操業の追及に活用し、業務効率化を進める。さらに、業務プロセスやノウハウのデジタル化により、情報の迅速な共有や分析、予測不可能な出来事への迅速な対応能力の向上を図る。これにより、プラント操業の高度化を実現し、事業競争力の持続的な強化に貢献することをめざしている。
 また、日立は今後も化学業界へ「ウィガレス」の展開を加速し、業界全体の DX(デジタルトランスフォーメーション)を支援する。

レゾナック大分コンビナート

レゾナック大分コンビナート

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