帝人の炭素繊維中間材料と樹脂シート VAIOディスプレイに採用

2024年07月30日

ゴムタイムス社

 帝人は7月29日、同社の炭素繊維中間材料のひとつである「テナックス TPCL」、ポリカーボネート樹脂シート「パンライトシート」が、VAIO株式会社(以下、VAIO)が開発した世界最軽量のモバイルディスプレイ「VAIO Vision+ 14」および「VAIO Vision+ 14P」(以下、「VAIO Vision+」)の筐体に採用されたと発表した。
 VAIOが開発した「VAIO Vision+」は、炭素繊維強化熱可塑性樹脂を筐体に使用したモバイルディスプレイ。質量は約325gと軽量で、製品の最薄部は約3・9mm。
 「VAIO Vision+」の筐体に採用された「テナックス TPCL」は、炭素繊維織物に熱可塑性樹脂を含浸したシート状の材料で、軽量性、耐熱性、強度、剛性、耐衝撃性に優れており、電気製品に求められる難燃性も有している。また、ポリカーボネート樹脂をシート状にした「パンライトシート」は、寸法安定性や軽量性、耐衝撃性に優れている。
 これらの素材の特長が、世界最軽量となる質量や製品の薄さを実現した。従来品の筐体には、組み立てに必要な接続部に金属部品が使用されており、製造工程において金属部品の取り付けが必要だったが、「パンライトシート」を「テナックス TPCL」で挟み込む構造をした新製品の筐体は、組み立てに必要な接続部の形状と強度を金属部品無しで実現した。これにより、複雑な立体形状を1度の成形で製造が可能となり、筐体の製造時における工数の削減およびCO2排出量の削減にも貢献した。
 帝人グループは「未来の社会を支える会社」になるという長期ビジョンを具現化した「地球環境を守る会社」となることを目指して、これからも多彩な高機能素材を活用し、様々な分野に対してソリューションを提供していく。

「VAIO Vision+」

「VAIO Vision+」

金属部品を使用しない筐体の複雑な立体形状

金属部品を使用しない筐体の複雑な立体形状

「テナックスTPCL」と「パンライトシート」

「テナックスTPCL」と「パンライトシート」

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