古河電気工業は7月31日路面に設置するインジケータ機能を有する地表埋設型ケーブルトラフ(薄型トラフ)を開発したと発表した。
日本を含む先進国では、デジタル技術を活用してインフラや施設を最適化し、生活者の利便性・快適性の向上を目指すスマートシティ実装の検討が進んでいる。スマートシティでは様々な電子機器類が都市内に設置される。一方で、街には既に暮らしを支えるための通信・電力ケーブルや上下水道、ガスなどが舗装下部に埋設されている。
これらの設備を避けながら新たな機器を設置するとともに、ケーブルルートも確保することがスマートシティにおける課題の一つとなる。
同社が長年培ってきたプラスチック製品の成型加工技術とケーブル管路の知見を活かして、薄くコンパクトで荷重性能にも優れている薄型トラフを開発した。
同製品は厚みが55・5mmで、コンクリートケーブルトラフの最小サイズクラス130mmと比較して約半分の薄さのため、地面の掘削量を減らすことができる。この厚みはインターロッキングブロックや点字ブロックなどの舗装材とも同等で、大きな基礎部の変更無しに既設の舗装材と差し替えることができる。また、インジケータとケーブル管路を一体とすることで、掘削量と施工時間を削減することができる。
現在のラインナップは、ケーブル保護機能のみのトラフとLEDを組み込んだインジケータ機能付きのトラフの2種類。今後は、信号の判別が困難な人(視覚障がい者・高齢者など)に対して、横断のタイミングを足元から伝達するシステムなどの多用途展開を検討している。
2024年08月01日