電子部品回復で増収増益 NOKの4~6月

2024年08月06日

ゴムタイムス社

 NOKの25年3月期第1四半期連結決算は、売上高が1881億7000万円で前年同期比14・8%増、営業利益は56億5200万円(前年同期は12億2600万円の損失)、経常利益は120億3800万円で同86・8%増、四半期純利益は70億1500万円で同205・3%増となった。
 シール事業は、売上高は876億円で同0・5%増、営業利益は44億9500万円で同30・5%増となった。自動車向けでは、販売の主要な指標である日系自動車の生産台数が前年同期と比較して減少した。一般産業機械向けでは、欧米のインフレーションや中国の不動産不況などの景気停滞の影響を受け、消費や設備投資が低迷したことから建設機械向けを中心に販売が減少した。他方、為替による押し上げ効果があったことにより、セグメントの売上高は増加した。 また、収益性改善を目指した価格改定活動の推進や変動費の良化により、将来に向けた成長投資などの費用増加を吸収し、営業利益も増加した。
 電子部品事業は、売上高は919億円で同31・4%増、営業利益は4億円、(前年同期は47億円の損失)となった。スマートフォン向けでは、売上の季節変動を軽減する取り組みの結果、第1四半期の売上が前年同期比で増加した。自動車向けでは、グローバルの自動車メーカーに対する電動自動車のバッテリー用途向けの販売が増加した一方、他の用途向けの販売は減少した。ハードディスクドライブ向けでは、減少が続いていたデータセンター向けの需要が回復傾向にあり、販売が増加した。これらに加え為替による押し上げ効果もあり、セグメントの売上高は増加した。 
 その他事業は、売上高は85億円で同26・6%増、営業利益は7億円で同638・6%増となった。
 25年3月期通期連結業績予想は前回調査から上方修正した。売上高は7447億円(前回発表7083億円、増減率5・1%増)、営業利益は280億円(同218億円、同28・4%増)、経常利益は381億円(同300億円、同27・0%増)、当期純利益は232億円(同177億円、同31・1%増)を見込んでいる。
 シール事業では、各地域で予想の前提と比較して自動車生産台数の減少が見込まれることなどから販売が予想を下回る見通し。ただ、収益性改善に向けた価格改定活動を推進することに加え、費用が予想を下回る見通しであること、為替レート前提の変更による影響もあり、売上高、営業利益ともに予想を上回る見通し。電子部品事業は、主にハードディスクドライブ向けの販売が予想を上回る見通しに加え、為替レート前提の変更による影響もあり、売上高、営業利益ともに予想を上回ると見込んでいる。

関連キーワード: ·

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー