ダイセルの25年3月期第1四半期連結決算は売上高は1455億7200万円で前年同期比11・3%増、営業利益は174億5800万円で同91・5%増、経常利益は181億7900万円で同43・2%増、四半期純利益は161億8900万円で同8・0%増となった。
セグメント別にみると、エンジニアリングプラスチック事業の売上高は627億1000万円で同24・6%増、営業利益は77億1700万円で同951・4%増となった。ポリアセタール樹脂、PBT樹脂、液晶ポリマーなどポリプラスチックス株式会社の事業は、前年同期に自動車部品の在庫調整の影響を大きく受けていた自動車向けや電子材料向けの販売数量の増加、為替の影響などにより増収となった。
ABS樹脂、エンプラアロイ樹脂、包装フィルム、水溶性高分子などダイセルミライズ株式会社の事業は、海外のOA市場の回復などにより販売数量が増加し増収となった。
マテリアル事業の売上高は444億9500万円で同1・5%減、営業利益は90億8300万円で同5・1%増となった。アセチル事業の酢酸は、主要誘導品の酢酸ビニルや高純度テレフタル酸の需要減少などによる販売数量の減少により、減収とななった。アセテート・トウは、堅調な需要が継続する中、当第1四半期連結会計期間では顧客の在庫調整の影響などにより販売数量が減少し、減収となった。
ケミカル事業の酢酸セルロースは、液晶パネル市場が緩やかな回復傾向にある中、液晶ディスプレイ向けの販売が競合素材の伸長により前年同期並みに留まったが、アセテート・トウ原料向けなどの販売数量が増加し、増収となった。
その他のケミカル製品は、中国、韓国の景気減速の影響により1,3-ブチレングリコールの販売数量が減少したことなどにより減収となった。
通期の連結業績予想については前回公表から変更はなく、売上高は6100億円で前期比9・3%増、営業利益は650億円で同4・2%増、経常利益は670億円で同2・0%減、当期純利益は580億円で同3・9%増を見込んでいる。
2024年08月06日