住友ベークライトの25年3月期第1四半期決算は、売上収益が766億5300万円で前期比9・1%増、事業利益は79億1000万円で同20・6%増、営業利益は81億7300万円で同25・7%増、四半期純利益は70億円で同22・5%増となった。
セグメント別では、半導体関連材料の売上収益が225億2900万円で同11・8%増、事業利益は45億6200万円で同9・1%増。半導体封止用エポキシ樹脂成形材料は、未だ世界的な需要回復には至らず、情報通信機器向け、車載半導体などで在庫調整が継続していたが、中国国内の半導体需要が増加していることや、モビリティ用途ではHV向けの販売が増加したことで売上収益は前年同期を上回った。感光性ウェハーコート用液状樹脂は、DRAM向けの需要が回復基調に入ったことに加え、メモリ以外の用途への新規採用が進み、売上収益は前年同期を上回った。
高機能プラスチックの売上収益が275億4200万円で同13・6%増、事業利益は17億1200万円で同62・6%増。工業用フェノール樹脂およびフェノール樹脂成形材料は、電機部品用途では、中国、アジア地区の市場が前期からの在庫調整基調を脱したことで需要が堅調に推移し、自動車用途では、北米、中国、アジア地区での成形材料、欧州では摩擦材の販売が好調に推移し、売上収益は前年同期比で増加した。銅張積層板はエアコンを含む家電の需要が低迷しており、売上収益は大幅に減少した。航空機内装部品は、世界の旅客需要の回復が継続していることや、欧州向けの販売が増加したことにより、売上収益は増加した。フェノール樹脂成形品は、中国での自動車用部品の拡販が好調なことから売上収益は増加した。
クオリティオブライフ関連製品の売上収益が264億2300万円で同2・9%増、事業利益が26億4700万円で同17・3%増。ビニル樹脂シートおよび複合シートは、医薬品包装用途がジェネリック医薬品の在庫拡充を背景に好調が継続し、食品包装用途の需要も堅調に推移しているなか、前期販売が低調だった産業用途も中国を中心とした需要が回復し、売上収益は増加した。ポリカーボネート樹脂板および塩化ビニル樹脂板は、ノートPC、電源アダプター用の絶縁材や工業用、成形用産業用途の平板の販売数量が減少した一方、アイウェア用の偏光板に需要の回復が見られ、車載向けの光学シートが予定通り伸長したこと、および建材用途の平板、波板の販売も好調だったことで、売上収益は増加した。防水関連製品は、住宅着工件数の減少に伴い量産住宅向けの需要が落ち込み、売上収益は減少した。
25年3月期の連結業績予想は、売上収益が3090億円で前期比7・6%増、事業利益は300億円で9・3%増、当期利益は240億円で同9・9%増を見込んでいる。
2024年08月06日