工学院大学の永井裕己准教授(応用物理学科)は8月8日、溶液から高機能薄膜形成可能な分子プレカーサー法を用いて、フレキシブルフィルムヒーターを形成したと発表した。
8月22、23日に開催される「大学見本市2024~イノベーション・ジャパン」(主催:国立研究開発法人 科学技術振興機構)において最新研究成果を企業に向けて紹介し、社会での技術活用を進める。
永井裕己准教授は、これまでに、カーボンナノチューブ(CNT)を分散したケイ素錯体含有プレカーサー溶液をガラス基板に塗布・熱処理して、ガラスと同程度の透明性をもつフィルムヒーターを発表している。このたび、溶液組成を改良して、フレキシブル基板上にも透明導電膜の形成を達成して、フレキシブルフィルムヒーターに発展させた。従来のフィルムヒーターと比べ、表面硬度、耐酸・塩基性に優れており、貼るだけで結露、凍結防止、融雪等可能なヒーターへの活用を見込んでいる。
今後は企業等との連携を通じて実現性を高め、屋外監視カメラ、信号機、道路標識、ヘッドライト、光センサへの防曇、融雪などへの貢献を図る。8月22、23日に開催される大学見本市では、来場者はフレキシブルフィルムヒーターを実際に触れて確認できる。
2024年08月09日