樹脂・ケミカル事業が堅調 東洋紡の4~6月期

2024年08月21日

ゴムタイムス社

 東洋紡の25年3月期第1四半期決算は、売上高が1051億7500円で前年同期比8・4%増、営業利益は30億8900万円(前年同期は1億円の営業損失)、経常利益は20億1500万円(同3億円の経常損失)、四半期純利益は7億8400万円(同5億円の純損失)となった。

 セグメント別では、フィルム・機能マテリアルの売上高は421億円で同8・0%増、営業利益は15億円で同21・2%増となった。包装用フィルムは、流通在庫の調整が完了し、荷動きは緩やかに回復したが、コスト上昇の影響を受けた。
 工業用フィルムは、セラミックコンデンサ用離型フィルムはサプライチェーン全体の在庫調整は完了したが、本格的な需要回復に至らず低調となった。液晶偏光子保護フィルム「コスモシャインSRF」は強い需要に牽引され堅調に推移した。

 環境・機能材の売上高は281億円で同12・3%増、営業利益は13億円(前年同期は営業損失7億円)となった。樹脂・ケミカル事業では、エンジニアリングプラスチックで北米向け自動車用途の販売が拡大した。水現像型感光性印刷版用途の光機能材料は、中国、欧州向けの販売が堅調だった。

 環境・ファイバー事業では、環境ソリューションは、リチウムイオン電池セパレータ製造工程で使用されるVOC回収装置の販売が増加した。
 高機能ファイバーは、「ツヌーガ」が耐切創手袋用途において需要が回復した。不織布マテリアルは、自動車用途の需要が回復した。
 通期の連結業績予想は、売上高が4350億円で前期比5・0%増、営業利益が170億円で同89・0%増、経常利益が115億円で同65・2%増、当期純利益は26億円で同5・9%増を見込んでいる。

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